SHOP
記事をシェア
twitterTwitter
facebookfacebook
lineLINE

最近「SDGs」という言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。SDGsとは「持続可能でよりよい世界を目指す」という目標を表したものです。

そのSDGsの14番目にあるのが「海の豊かさを守ろう」。今世界中の海で、プラスチックゴミが増えていることが問題となっているのです。

そこで今回は、海洋プラスチック問題についてまとめました!
前編と後編に分けて丁寧に説明するので、ぜひ最後まで読んでみてください。

海への理解を深めて、一緒にきれいな海をつくっていきましょう!

海洋ゴミの半分以上はプラスチック

海岸に捨てられているごみの写真

海に行くと海岸に打ち上げられたペットボトルや、海に浮いているビニール袋を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実は目に見えない海の底にもプラスチックゴミは沈んでいて、なんとその量は世界中で約1億5000万トンに達しているのだとか。海のゴミの半分以上はこのプラスチックゴミです。想像もつかないような量ですよね。

さらに毎年約800万トンのプラスチックゴミが今この瞬間も海で増え続けています。800万トンはスカイツリー222基分に相当するそうですが、それでもなかなか想像しづらい。もしこの状況がこれからも続けば、悲しいことに海にいる魚の量よりもプラスチックゴミの量の方が多くなってしまうそうです。

ゴミの行きつく先は海

砂浜に捨てられているごみの写真

この海洋ゴミの8割は、私たちが暮らす街から出ていると言われています。街に捨てられたゴミは雨とともに排水溝へと流れ、川から海へと流れ出ていくのです。軽い気持ちで捨てたペットボトルやスーパーの袋などが最終的にたどり着くのは「海」なのですね。

中でも多いのは家庭から出る食品トレーやお菓子の袋、ペットボトルなど。海洋プラスチックゴミのほとんどは陸から来たものなので、改善できるのも私たちの行動次第です。

「ゴミ箱がいっぱいだから脇にゴミを置いておこう」「ゴミの入ったレジ袋を分別しないままゴミ箱に捨てた」「風でゴミが飛ばされたからそのままでいいや」ほんの小さな行動かもしれませんが、日本中、世界中の人達が同じことをすればゴミはどんどん溜まっていきます。

マイクロプラスチックとは

マイクロプラスチックのイメージ画像

プラスチックのうち、5ミリメートル以下の小さなプラスチックを「マイクロプラスチック」と呼びます。軽くて便利なプラスチックですが、人工的に作り出された物質のため、ゴミとして放置されると数千年も分解されないまま残り続けるのだとか。風や雨に流されたり、強い紫外線にさらされても細かくなるだけで、無くなって消えることはないのですね。

このマイクロプラスチックが海に流れ込むと回収するのが難しかったり、魚がエサと勘違いして食べてしまったりと、いろいろな問題が起きてしまいます。ではマイクロプラスチックの元になっているのはどんな物なのでしょうか。

微小なサイズ「一次マイクロプラスチック」

洗顔料や歯磨き粉などの小さなつぶつぶ。「スクラブ剤」と呼ばれ、汚れをとってくれる役割があるのですが、なんとこのスクラブ剤にはプラスチックが使われているのです。このように製品や原料として使うため、もともと小さなサイズで作られているものを「一次マイクロプラスチック」といいます。

顔を洗うときや歯をみがくときに使われるため、家庭の排水溝などから流れ出て、下水処理場を通り抜け海へと流れていきます。マイクロプラスチックよりもさらに小さな粒であることから「マイクロビーズ」と呼ばれ、一度流出してしまうと回収するのは難しいといわれています。

もとは大きいサイズ「二次マイクロプラスチック」

レジ袋やペットボトル、発泡スチロールなどのゴミは、紫外線や波・風などにさらされてどんどん細かくなっていきます。このようにもともとは大きなサイズで作られたプラスチック製品が、自然環境などによって小さな粒になったものを「二次マイクロプラスチック」といいます。

とくにレジ袋は風に飛ばされやすく、海などに流されるとすぐに劣化してしまうため、二次マイクロプラスチックになりやすいのです。細かくなってしまってからでは回収できませんが、「レジ袋などのゴミを減らす」ということは私たちにもできること。実は二次マイクロプラスチックは、私たちの行動次第で減らすことができるのです。

プラスチックが海に与える影響

夕方の浜辺に打ち上げられたごみの写真

細かく砕かれたマイクロプラスチックは回収することが難しいうえに、海流に乗って世界中の海へと拡散してしまうのです。さらに「小さくなっても消えることがない」というのが、プラスチックゴミのやっかいなところ。有害な化学物質を吸着しやすい性質があるプラスチックは、海を汚したり魚をダメにしてしまう原因になっているのです。

とは言っても、私たちの身の回りはたくさんのプラスチック用品であふれていますよね。レジ袋の有料化や紙ストローの普及など、少しずつ取り組みは広がっていますが、まだまだゴミが増えているのは事実。ではこのプラスチックは、海にどんなダメージを与えているのでしょうか。

ウミガメの泳ぐ美しい海の写真

マイクロプラスチックをエサと勘違いして食べてしまった魚が死んでしまう、という悲しい事例が世界中で報告されています。魚の内臓にプラスチックが詰まってしまったり、付着している有害物質が魚の体内に蓄積してしまうそうです。

海の中ではプランクトンを小魚が食べ、その小魚を中型魚が食べ、その中型魚を大きい魚が食べ… というように食物連鎖でつながっていますよね。この中のどこかにプラスチックを食べた魚がいると、有害物質だけが消化されずに残り続けてしまうのです。そして最終的にその魚を食べるのは私たち人間。まだはっきりと分かってはいませんが、人体への悪影響もあるのではないかと考えられて研究が進められています。

漁や観光業にもダメージ

美しい海と空の写真

漁に使う網に魚ではなくゴミが引っかかってしまい、網が使えなくなってしまうことがあります。プラスチックゴミの影響で魚の量が減ってしまい、今までよりも魚の獲れる量が少なくなっています。きれいな海を見ようとやってくる観光客は、プラスチックゴミにより汚染された海を見てがっかりします。

これらは実際に起きていることです。まずは知ることが大切だと思うので、ぜひこの現実を知ってほしい。ひとつのプラスチックゴミが実際の海に与える影響は、海の生物だけでなく、漁業や観光業で生活している人たちへも広がっているのです。漁業で3.6億ドル、観光業で6.2ドルもの経済損失が出てしまうと推定されています。

私たちの体へも

「we need a change」の看板を持つ人

日本だけでなく世界中で問題となっている海洋プラスチックの問題。マイクロプラスチックが人間にどんな影響を与えるのか、各国で研究は進められていますが、まだはっきりとは分かっていません。しかしプラスチックが有害物質であることは事実。人の体から上手に排出できなかった場合は、がんの発生や代謝性疾患を引き起こす可能性があるともいわれています。

だからといって「魚や貝を食べるのをやめよう」というのは悲しいですよね。大事なのはプラスチックゴミを減らす努力をして、安心して魚を食べられるようにすること。海のため、魚のため、そして私たち人間のためにも、海洋プラスチック問題と向き合い、明るい未来を一緒に作っていきましょう!

まとめ

ゴミを分別してゴミ箱に捨てなければいけないことは、誰でも頭ではわかっているはずですよね。そのゴミのせいで海は悲鳴をあげていました。ちょっと悲しい現実ですが、まずは知ることが大切。一人一人の小さな行動が生んでしまった問題です。まだまだ改善できる部分はたくさんあるはずですので、自分の行動を振り返ってみてくださいね。

ライターKYOKOさんが書いた記事一覧さんの写真

KYOKO

食べることと旅行が大好きな女子ライター

記事一覧へ
食べることと旅行が大好きな女子です!世界中の「食」の魅力や楽しさを伝えられるような記事をお届けします!
記事一覧へ

Related Posts

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です