いつもお世話になっている養蜂家の今川さんと
日本蜜蜂の養蜂を営む鈴木さんの採蜜見学に
伺いました。
実は日本で売られているはちみつの99%が
『西洋蜜蜂のはちみつ』ということを知っていますか?
私も日本はちみつを食したのはつい最近のこと。
山梨では養蜂を営む方も多いのですが
そんな山梨でも滅多にお目にかかれない
日本蜜蜂の生はちみつ
日本には亜種という在来種の日本蜜蜂が生息し
養蜂されてきましたが、明治時代に西洋蜜蜂が
輸入されてからは、人間の管理下で
飼養しやすくたくさん採密が出来る西洋蜜蜂が
主として養蜂されるようになりました。
日本蜜蜂は西洋蜜蜂と違い野生に生息している為、とてもデリケートで繊細、
養蜂が難しく、日本の生産量は全体の1%以下と
言われています。
農薬の影響(半径2㌔圏内)や、西洋蜜蜂やスズメバ
チの襲撃(盗密)、ストレスなど住む環境が少しでも
合わないと巣箱から逃げ出す習性がある為
養蜂がとても難しいのです。
また日本蜜蜂は体が小さく、群の数も西洋蜜蜂の
1/2以下。
(日本蜜蜂→1群1万匹以下 西洋蜜蜂→1群2万匹以上)
商業用に飼育&改良されてきた西洋蜜蜂と違い、
野生の日本蜜蜂はたくさん蜜を運ぶことができない
為、年間採蜜できる量は西洋はちみつのたった
1/5ほど。
(日本はちみつ→1群で5㌔、西洋はちみつ→1群で25㌔)
そして採蜜は遠心分離機を使わない原始的な方法で行います。
日本蜜蜂は効率的な巣枠式ではなく重箱式を好む為(巣枠式を使う方もいます)、
遠心分離機にかけることが出来ず、すべて手作業で、
はちみつがじっくり自然に落ちてくるのを3日ほど
待ちます(垂れ蜜)
『はちみつ』は
蜜蜂たちの大切な栄養源であり、ごはん。
一匹の蜜蜂が一生かけて集めることが出来る
はちみつは、わずかティースプーン1杯と言われ、
蜜蜂が一生かけて集めた貴重なはちみつを私たちは分けて頂いているのです。
蜜が集まったら、メッシュで2回ほど濾し、蜂の
死骸やハニカム、花粉、ゴミ等の異物を取り除き
一年ほど寝かし水分をゆっくり蒸発させ、熟成し完成!
熟成させることで酵素も安定し、美味しい日本蜜蜂の生はちみつが出来上がり。
もちろん非加熱、未加工、無濾過、酵素の生きた
生はちみつです◎
※無濾過とは。
一般的に「濾過」といわれる工程では、濾過しやすいようはちみつを高温まで熱し、サラサラ状態にして濾過しますが、無濾過はこの工程をしないもの
西洋蜜蜂と日本蜜蜂は持っている酵素が全く違う
ため、同じ花の蜜源だとしても栄養価も味も香りも
変わってきます。
日本蜜蜂の生はちみつは、薬以上の栄養価と酵素、
殺菌作用を持ち、毎日大さじ1杯の摂取で健康に
長生きできると、今川さんは言います。
日本はちみつの採蜜はとても手間と時間がかかり
取れる量もわずか、また養蜂自体も大変難しく、
何より在来である日本蜜蜂の減少などの問題から
日本蜜蜂を扱う養蜂家は年々減少していると
言います。
日本蜜蜂を増やすためには国内の養蜂家さんたちを
守る必要があり、蜂蜜の需要があることで潤い、
小さな養蜂家さんを支えることにも繋がります。
そしてポリネーター(花粉をつけて運ぶ昆虫)の役割
をしている蜜蜂を増やすことは自然環境にも深く
関係し、貢献します。
なかなか日本蜜蜂の生ハチミツを見る機会は少ないと思いますが
たまに地方の道の駅などで見かけることがあります。
みかけたらぜひ、手に取ってみてほしい。
地元の養蜂家さんたちを。そして日本蜜蜂を。
わたしたちの手で守っていきたい。
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