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キーワード:②土用の丑の日

テーマ: 土用の丑の日・うなぎを食べる理由について、夏を快適に過ごすヒント等

夏になるとよく耳にする「土用の丑の日(どようのうしのひ)」。スーパーにはうなぎが並び、飲食店では土用の丑の日をウリにしたうなぎ料理が出始めます。 では、土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜでしょうか?それ以前に、今年の土用の丑の日はいつかパッと答えられますか?

そこで今回は、土用の丑の日のとはなんなのか?その由来や、なぜうなぎを食べるのか?などについてお話ししましょう。実はうなぎ以外にも食べていいものがあるとかないとか…?

この記事を読み終わる頃には、あなたの疑問がスッキリ解決しているはずですよ。

2022年、そして来年以降の土用の丑の日はいつ?

疑問のイメージ画像

土用の丑の日について深掘りする前に、まずは今年、そして来年以降の土用の丑の日がいつなのかを確認しましょう。

【2022年】7月23日(土)・8月4日(木)
【2023年】7月30日(日)
【2024年】7月24日(水)・8月5日(月)
【2025年】7月19日(土)・7月31日(木)

夏の土用の丑の日(夏土用)は、毎年だいたい7月中旬~8月初旬です。毎年同じ日というわけではないのですね。7月から8月の間に2回も土用の丑の日が来ることもあります。

土用の丑の日の意味や由来について

読書している女性の写真

次は「土用の丑の日」の意味や由来について学びましょう。ちょっと複雑なので、①「土用」②「丑の日」それぞれに分けてご説明していきます。

「土用」の意味や由来

土用とは、①立春②立夏③立秋④立冬の直前の数日間、すなわち「四季の変わり目の前の約18日間」を指します。土用は本来、夏だけでなく季節ごとにあるものなのです。

また、「土用」は雑節(ざっせつ)と呼ばれる、季節の移り変わりの目安となる日の呼び方のひとつです。みなさんにも馴染みのある雑節には、「節分」や「入梅」「彼岸」などがあります。

この土用の由来となったのが、古代中国の五行思想という考え方。「この世のすべては、木・火・土・金・水の5つの要素でできている」という考えです。草木がどんどん育つ春、夏は熱く燃える火、秋は作物が収穫期を迎える実りの金、水のように静かで冷たい冬…と、イメージを四季に当てはめることができます。残った「土」が各季節の間に当てはめられました。

季節の移り変わりに際しては、気温や天候が目まぐるしく変化しますよね。土は各季節の大きな環境変化のクッションとして、大切な役割を果たしているのです。

「丑の日」の意味や由来

では「丑の日」は?こちらはお察しの通り、干支の「丑」からきています。「今年は寅年」というように、十二支は1年ごとにもありますが、1日単位でも存在します。日めくりカレンダーなどに記されているので、お持ちの方は見てみてください。

干支は全部で12つなので、年によって18日間の土用の期間中に「丑の日」が1回もしくは2回発生することになりますね。この日が「土用の丑の日」です。

土用期間内に丑の日が2回あるときは、1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼んでいます。うなぎはどちらの日に食べても構わない(もちろん2回食べても!)ですよ。

なぜ「うなぎ」を土用の丑の日に食べるの?

うな重の写真

夏土用の丑の日の食べ物といえば「うなぎ」ですよね。普段なかなか食べれない高級品なので、毎年土用の丑の日を楽しみにしている方もいらっしゃるのではないでしょうか。うなぎを食べるようになったのには、諸説あるそうです。

①友人の体調を気遣う手紙から

夏にうなぎを食べる習慣は、なんと1000年以上も前からのこと。7世紀後半から8世紀後半にかけて編まれた日本最古の和歌集「万葉集」に、次のような歌があります。

「石麻呂に 吾物申す 夏痩せに よしと云ふ物ぞ うなぎ取り召せ」大伴家持

意味は「君は痩せているから、夏痩せに効くと言ううなぎを食べて活力をつけるといいよ」ということを大伴家持が石麻呂という友人に伝えた歌のようです。

うなぎはビタミンAを筆頭に、ビタミンを多く含む栄養満点の食材です。疲労回復や食欲増進効果が期待できるので、暑く食欲の落ちがちな夏にはピッタリの食材でしょう。

②夏にもうなぎを売るための宣伝だった

うなぎを食べるのが夏土用の丑の日限定なのは、蘭学者である平賀源内が打ち出した宣伝がきっかけという説もあります。

売上不振のうなぎ屋に「本日土用の丑の日」と書いた張り紙をするようアドバイスしたところ、店は大繁盛。他の店もそれを真似するようになり、こうして「土用の丑の日にはうなぎを食べる」という習慣が根付いていったそうです。

実はうなぎ以外にも食べていいものがある

食事をする女性の写真

「土用の丑の日=うなぎ」と思われている方もいらっしゃると思います。でも実は他にも、夏土用の丑の日に食べると良いとされている食べ物があるんですよ。

「う」が付くものを食べると夏を乗り切ることができるという言い伝えがあり、うなぎの他にも、うどんや瓜、梅干しなどが該当します。また、うさぎの肉や牛肉(うしにく)、馬肉(うまにく)も食べられていたようです。

うなぎの驚くべき栄養価

スマホでレビューを書いているイラスト

うなぎが夏バテにぴったりだとされる理由として、その高い栄養価が挙げられます。うなぎには数多くの栄養素が含まれているんですよ。

エネルギー 水分 タンパク質 脂質 炭水化物 食物繊維 ナトリウム
255kcal 62.1g 17.1g 19.3g 0.3g 0g 74mg
カリウム カルシウム マグネシウム リン 亜鉛
230mg 130mg 20mg 260mg 0.5mg 1.4mg 0.04mg
マンガン ビタミンA ビタミンD ビタミンE ビタミンK ビタミンB1 ビタミンB2
0.04mg 2400μg 18.0μg 7.4mg 0μg 0.37mg 0.48mg
ナイアシン ビタミンB6 ビタミンB12 葉酸 パントテン酸 ビオチン ビタミンC
3.0mg 0.13mg 3.5μg 14μg 2.17mg 6.1μg 2mg

うなぎ(生)の100gあたりの成分表(Tr:微量、-:未測定「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より)

【ビタミンB1・B2】エネルギー代謝を促進、夏バテ対策に

まず注目すべき栄養素は、ビタミンB1・B2です。ビタミンB1とB2はそれぞれ、糖質と脂質をエネルギーに分解し、代謝を助ける働きがあります。

夏場はアイスや冷たいジュースなどの過剰摂取により、糖質摂取量が増える傾向にあります。また、米(ブドウ糖)を主食とする私たち日本人には、ビタミンB1は欠かせないビタミンです。B2は脂質の分解に使われるため、普段から脂っこい食事を取りがちな人にとって必要な栄養素です。

【ビタミンA】皮膚粘膜や目の健康を維持する

続いての注目すべき栄養素はビタミンAです。うなぎにビタミンAが多く含まれているというのは有名な事実ですよね。

ビタミンAは皮膚をはじめ、目や口内、鼻、のどなどの粘膜を健やかに保つ栄養素です。ビタミンAは皮膚のターンオーバーを促すので美肌につながります。

さらに、ビタミンAは目の健康に欠かせません。ビタミンAが不足すると、角膜や目の粘膜が傷つき視力が落ちるなどのリスクもあります。スマートフォンやパソコンを当たり前に使う現代では、どうしても目を酷使しがちです。ビタミンAを積極的に摂り、眼精疲労の予防や視力回復に努めましょう。

【良質なタンパク質】体の根幹をつくる大切な栄要素

うなぎは良質なタンパク質を含んでいます。うなぎ1尾あたりのタンパク質含有量は、タンパク質が豊富な肉類に引けを取りません。

タンパク質は炭水化物、脂質と並び、三大栄養素のひとつです。筋肉や臓器、皮膚や爪、髪など、私たちの体の根幹を作るのに欠かせません。炭水化物や脂質は過剰摂取しがちな一方で、タンパク質の摂取量は基準に達していない人が多いのです。筋トレやスポーツをしている人のみならず、女性にとっても積極的に摂るべき栄養素です。

【脂質】エネルギーを生み出す

おいしくて栄養満点と聞くと、ついついたくさん食べたくなってしまいますよね。しかしうなぎは脂質が多いのも特徴なので、食べ過ぎには注意しましょう。

とはいえ脂質も三大栄養素のひとつなので、決して悪ではありません。むしろ飽和脂肪酸の少ない良質な脂(油)は私たちの健康にも必要不可欠です。そもそも脂の乗っていないうなぎではボソボソして、あのおいしさは味わえないでしょう。夏土用の丑の日の楽しみにとっておくくらいの頻度が、ちょうど良いのかもしれませんね。

まとめ

以上、土用の丑の日についてお話してきました。要点を以下にまとめましょう。

  • 今年の夏土用の丑の日は7月23日(土)・8月4日(木)の2回
  • 土用は年に4回ある
  • 夏土用の丑の日にうなぎを食べるのには諸説ある
  • うなぎ以外にも「う」の付く食べ物を食べるのもOK(うどん、瓜、梅干しなど)
  • うなぎはビタミンAをはじめビタミンB1、B2、タンパク質が豊富で夏バテに持ってこいの食材。ただし脂質も多いので食べ過ぎは禁物

今年の土用の丑の日には、土用の意味やうなぎを食べるようになった誕生秘話に想いを馳せながら、おいしいうなぎを堪能してくださいね!

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