寒い季節には欠かせないカイロ。カイロといえば市販の使い捨てカイロを想像するかと思いますが、実は小豆(あずき)を使ってカイロが作れるんです。この記事では、そんな小豆カイロの嬉しいメリットや、今話題のSDGsとの関連性などをお届けします。
小豆カイロは実はとっても簡単に手作りできるので、作り方もご紹介しています。
ぜひ今年の冬は手作りの小豆カイロで、サステナブルに過ごしましょう。
目次
小豆カイロってどんなもの?
小豆カイロとは、その名のとおり小豆でできたカイロのことです。布製の袋に小豆を詰めただけのいたってシンプルなものです。
普通のカイロは中に砂鉄が入っていますが、その代わりに小豆を使って作られています。
小豆カイロの効能や小豆カイロを選ぶメリットをみていきましょう。
小豆カイロの効能
小豆は、乾燥したものであっても実は多くの水分が含まれています。小豆を電子レンジなどで加熱すると、小豆に含まれる水分が蒸発し、蒸気を生み出します。
小豆はこの遠赤外線効果により、吸熱性と温熱作用に優れているため、じっくりと体の芯まで温めてくれるというわけです。
また、温かさは20分ほど持続します。ちょっとした合間のリフレッシュにはちょうどいいですね。
普通のカイロと何が違う?小豆カイロを選ぶメリット
手軽に使える使い捨てカイロが安価に手に入る一方で、あえてこの小豆カイロを選ぶ理由には何が挙げられるでしょうか。「温める」という目的は同じですが、以下のようなメリットがあります。
温熱効果
前述のとおり小豆には多くの水分が含まれており、加熱すると蒸気が出てゆっくり温かさが持続します。これを「湿熱効果」といいます。蒸気を帯びた熱は肌表面にダメージを与えることなく、じわじわと深部まで伝わっていきます。
一方の「乾熱」は水を利用しない加熱のこと。水分を奪いながら加熱する方法です。カイロはこの乾熱にあたります。表面しか温まらないため、カイロを触っているその瞬間しか温かさは感じません。また、肌表面の水分が蒸発してしまうため乾燥に注意が必要です。
くりかえし使える
使い捨てカイロはその名のとおり1度きりしか使えません。しかし、小豆カイロは、なんと200~300回ほどくりかえし使うことができます。
安心して使える
ご存じのとおり小豆カイロの中身は小豆。食品です。生だからといって、誤って口に入れてしまっても命の危険はありません。
一方で、使い捨てカイロの中身は砂鉄。袋も決して頑丈とはいえず、破ろうと思えば簡単に引き裂けてしまいますよね。砂鉄は発火性があり、また、誤って口に入れてしまうと大変危険です。小さなお子さんに持たせるなら、小豆カイロの方が安心ですね。
小豆カイロとサステナビリティ
「SDGs」「サステナブル」「サステナビリティ」といった言葉を耳にしたことはありませんか?昨今、失われつつある地球環境を守るため、これまでの「大量生産大量消費」が見直されつつあります。代わりに、くりかえし使えるアイテムや、リユース(再利用)を前提とした、「サステナブル(持続可能な)」の商品が注目されています。小豆カイロはまさにこの、サステナブルな商品の代表でしょう。
使い捨てカイロが1回きりの商品であるのに対し、小豆カイロは数百回もくりかえし使えます。また、素材も布と小豆だけ。不織布(プラスチック)から作られている使い捨てカイロの袋に比べて、環境にも優しいです。
体が冷えるとどんなことが起こるのか
私たち人間は「恒温動物」なので、外気温にかかわらず体温を一定の温度に保っています。
冬は血管が縮まり、血液をあまり流さないように調整しています。「血行が悪い」とはこのためです。血管を縮めることで体内の熱を外に逃がしにくくしているのですね。
中でも体の中心には、心臓をはじめ重要な臓器が集まっています。手や足先だけが冷えるという方も多いでしょう。寒さが厳しいときは、体の中心部に血液を集中的に集めることで、体温を維持しようとします。
つまり、末端である手や足先は後回しにされてしまうため、温度が下がりやすくなります。「末端冷え性」なんて言葉もあるくらい、手や足先だけ冷えを強く感じるようになるのです。
慢性的な冷えは身体全体に悪影響を及ぼす
冷えは「万病の元」なんてよく聞きますよね。
体や手足が冷えるだけなら、体を温めるだけで事足りるのですが、冷えは結構厄介です。
慢性的な冷えは全身へと影響を及ぼし、別の症状を引き起こす原因となることがあります。
具体的には、以下のような症状です。
・頭痛
・腰痛
・肩こり
・生理不順
・肌荒れ
・膀胱炎
・便秘・下痢
大きな病気につながるものではありませんが、生活に支障をきたすものが多いはずです。冷えが改善すれば、自然に上記のような症状の改善にも寄与していきますよ。
冷え性の原因
気温の下がる冬に手足が冷えるのはごく当たり前のことで、さほど気にする必要はありません。ところが1年を通して慢性的に体の冷えを感じている人も増えています。
こういった、「気温以外」の要因で起こる冷え性には、以下のような原因が考えられます。
自律神経の乱れ
現代における不規則な生活やストレスは、自律神経を狂わせてしまいます。また、空調の効かせすぎも自律神経が乱れる原因となります。外は寒く、室内は暑い(冬)、またはその逆(夏)など、気温差が激しくなると体には負担が大きいのです。
締めつけの強い衣類
きつい補正下着やハイヒールなど、締めつけの強い衣類を身につけると血行が滞ってしまいます。
加えてこのように皮膚を締めつけすぎることで、寒さや暑さを感じる皮膚感覚が鈍ることもあります。そのため脳からの体温調節の指令が伝達されにくくなり、うまく体温が調節できなくなってしまうのです。
筋肉量の欠如
一般的に、冷えに悩むのは女性の方が多いです。女性は男性に比べ筋肉が少ないので、熱量や血流量が少ないためです。もちろん同様の理由で、ふだんあまり運動をせず筋肉量が少ない人は、体が冷えやすくなります。
これらの要因は女性に特に当てはまりやすいため、注意しましょう。
【簡単にできちゃう】小豆カイロを手作りしてみよう
冷えの厄介さや、使い捨てカイロのデメリット、そして小豆カイロならではのメリットなどについて学んできました。
小豆カイロに興味が沸いてきましたか?実は小豆カイロは、ご自宅で簡単に手作りすることができちゃうんです!
【材料】10×20cmほどの小豆カイロ1個分
・小豆:150gくらい
・お好きな布やハンカチ(綿や麻素材のものがおすすめ):20×40cm
・針と糸
【作り方】
1.布を20×40cmの大きさにカットする
2.布の柄がプリントされている方(表面にしたい面)が内側になるように半分に折る
3.上面以外の2辺(サイドと底)を細かく縫う
4.袋を裏返し、柄のある面を表に出す
5.小豆を入れる
6.まだ縫っていないところを縫ったら、完成
材料もいろいろ買いそろえる必要はなく、ご自宅にあるものですぐにできるので、ぜひ作ってみてくださいね。
小豆カイロの使い方
足首やお腹など、冷え対策に
冷えやすい足首などの末端に使ったり、紐をつけてお腹周りに巻いたりして使いましょう。お腹の冷えは下痢や便秘の原因になるばかりか、胃腸や生殖機能の低下を招きます。
首にかければ全身ポカポカに
首には太い血管が通っているため、首周りを温めることで全身の血流の巡りを良くすることができます。短時間で効率よく全身ポカポカになりますよ。
肩凝り予防・緩和に
寒いと肩が内側に入り込み、姿勢が悪くなってしまいます。するとさらに血の巡りが悪くなって冷える・肩も凝るという悪循環に。
大きめの小豆カイロを作って、肩にかけて使うのがおすすめです。
眼精疲労に
目が疲れるのは目の周りの筋肉が凝り固まっている証拠です。普段から仕事でPCを使う方、スマホを長時間見る方におすすめです。
温めた小豆カイロを目の上に乗せ、目を閉じて15分程休憩しましょう。
小豆カイロを作る/使うときの注意点
ナイロン製の布ではなく天然素材のものを使おう
ナイロン製など、化学繊維は加熱し過ぎると溶けることもあります。必ず麻や綿など天然繊維100%の素材のものを選ぶようにしてください。
温めすぎに注意!
温めの目安は、電子レンジで30秒~1分ほど。15〜20分間は温かさが持続しますよ。温めた直後は熱くなりすぎていることがあるので、火傷に注意してください。
温める際も、様子を見ながら少しずつ加熱するようにしましょう。
次回の使用までに4時間ほど間隔をあける
いったん使ったあとは、小豆が再び空気中の水分を吸収するまでに4時間ほどかかります。続けてすぐの使用はできないので、注意してください。
また、小豆の中の水分は少しずつ減少していきます。すると、あずきが割れやすくなったり、温まりにくくなったりします。割れている小豆が多くなった、なかなか温まらなくなってきた、というときは中の小豆を交換しましょう。
洗濯はNG
残念ですが洗濯はできません。とはいえ汚れが気になることもありますよね。その場合は、小豆カイロの上からもう1枚別のカバーをつけると良いですよ。
カバーを外して洗えば、繰り返し衛生的に使えます。
まとめ
温かいお風呂に浸かったときの、あの「ふぅ〜」という瞬間。とても心地良いですよね。1日のうちに何度もお風呂に浸かることは難しくても、小豆カイロなら何度でも利用することができます。
ついついPCやスマホを使いすぎてしまいがちな現代。ほんの少しの空き時間があれば、温めた小豆カイロを目元や首元などに乗せてみてください。
疲れた身体をリラックスさせる時間を作ってもらえたらうれしいです。
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