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「宇宙食」と聞くとどんな食べ物をイメージしますか。ほとんどの人は体験したことのない無重力の世界。その中での食事には様々な工夫がされているのです。長期で宇宙に滞在する宇宙飛行士にとって食事はリラックスできる時間のひとつ。おいしく食べてもらうために、最近ではフリーズドライ食品も多く取り入れられています。

そこで今回は、宇宙食にフリーズドライ食品が使われている理由をご紹介します。一般の私たちが食べられる宇宙食もあるので、気になった方はぜひ一度食べてみてくださいね!

フリーズドライは宇宙食に適していた

地球の写真

みそ汁やスープなど私たちの身近にあるフリーズドライ食品。最近はリゾットやおかず系の種類も豊富になってきているので、食べたことのある方も多いのではないでしょうか。

フリーズドライ食品の特徴は、調理した食品を一気にマイナス30度まで凍らせ、真空状態にしてから必要最小限の熱で乾燥させること。食品の水分を限りなくゼロの状態まで減らすことで、おいしさや香りを保つことができるのです。

長期で国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士にとって、毎日の食事はとても重要ですよね。宇宙食は健康維持のためしっかりと栄養がとれる食事であることはもちろん、無重力の環境でも食べることができるか、長期保存ができるか、などたくさんの条件を満たす必要があります。

また宇宙ステーションにはたくさんの精密機器があるため、食べるときに粉や液体などが飛び散るものもNGとされています。もし機械に食品が入り込んでしまったら、命の危険を伴う大事故にもなりかねないのです。

無重力でも食べられる

唐揚げの写真

宇宙といえば無重力。ほとんどの人は体験したことのない不思議な環境ですよね。そんな無重力の中で食事をするために、宇宙食には様々な工夫がされています。

無重力でも食品に適度な水分があれば、容器やスプーンにくっつくため空中に浮くことはないそう。食べられるメニューが限られている宇宙空間で、水やお湯で戻して食べられるフリーズドライ食品は、宇宙飛行士にとって強い味方なのです。

例えば、宇宙食のラーメンには麺やスープが飛び散らないような工夫がされています。麺は湯戻し後も形状が維持できるよう一口サイズになっていて、スープは粘度を高めてあんかけ状にすることで、麺と絡めて食べることができるようになっているのです。

さらにローソンの人気商品「からあげクン」も、フリーズドライ製法によって宇宙食デビューを果たしました。宇宙飛行士の野口聡一さんが実際に宇宙で食べ「サクサクでおいしい!」と好評だったようです。今後もフリーズドライ製法によって、さらに幅広いメニューが宇宙食になりそうですね。

賞味期限が長い

宇宙飛行士は約6ヶ月の間、宇宙に滞在しなければなりません。そのため宇宙食は最低でも1年半の常温保存が可能なこと、というルールがあります。さらに6ヶ月分の食品を積まなければいけないため、なるべく軽くて小さな食品がベスト。なんと1kgの荷物を積むのに約330万円もの費用がかかるそうです。

水分が抜けて軽く小さくなっているフリーズドライ食品は、この条件にもぴったりです。賞味期限を意識すると、どうしてもおいしさまではこだわれなかった宇宙食も、フリーズドライ食品があることによっておいしさまで追求できるようになったのですね。今後は3〜5年の長期でも保存ができるように、研究・開発が進められているようです。

おいしさと栄養バランス

焼き魚の写真

宇宙にいるときに風邪をひいたり病気になったりしても、もちろん病院に行くことはできません。そのため宇宙食から栄養をしっかりと補給することが大事になってきます。

フリーズドライ食品は最低限の熱で乾燥させているため、栄養が損なわれにくいという特徴があります。不足しがちなビタミンやミネラルもしっかり摂ることができるのは嬉しいポイント。

さらに長期間にわたって宇宙食を食べるため、毎日同じようなメニューばかりでは飽きてしまいますよね。フリーズドライ食品が宇宙食に取り入れられるようになったことで、宇宙でも食べられるメニューが増え、味も格段においしくなったそうです。心身ともにストレスがかかる宇宙空間でおいしい食事が楽しめることは、宇宙飛行士にとってリラックスできる時間になっているのですね。

宇宙での食事のとり方とは

銀河系の写真

無重力の宇宙では、どのように食事をするのでしょうか。フリーズドライ食品は、付属のアダプターから水を加え、食品を手で揉むことで完成します。できたものをハサミで開封し、スプーンですくって食べるそうです。また食事に使うトレーにはマジックテープがついています。食事が浮かないようにマジックテープで固定して食べるのですね。

ドリンク類は基本的に粉末状態になっているので、水やお湯を入れてからストローで飲みます。ふたをしないと液体が飛び散ってしまうため、クリップ付きのストローで飲むそうですよ。無重力の中でも楽しくおいしく食事ができるように、様々な工夫がされているのですね。

人気の宇宙食をご紹介

私たちにとってあまり身近ではない宇宙食ですが、日々開発が進められ、どんどんおいしくなっているようです。そこで今回は、フリーズドライ製法を使った人気の宇宙食をご紹介していきます。中には実際に買えるものもあるので、気になったものはぜひ一度食べてみてくださいね。

和食も食べられる「宇宙日本食」

納豆の写真

日本食を食べたときに、ほっとした気持ちになるのは宇宙飛行士も同じです。宇宙で日本食を食べられることで、精神的なストレスを和らげたり、パフォーマンスの維持・向上につなげることを目的に「宇宙日本食」は開発されました。伝統的な和食には限定せず、「日本の家庭で普段食べているような食事」を対象としているそうですよ。

日清食品の定番商品であるソース焼きそば「U.F.O」や「チキンラーメン」が、フリーズドライ製法を使った宇宙日本食として認定されています。また白米やお赤飯、山菜おこわなども宇宙で食べられるようになりました。今後もさらに宇宙日本食は増えるそうなので、どんなものが登場するのか楽しみですね。

朝食には「スクランブルエッグ」

スクランブルエッグの写真

フリーズドライ製法を使うことで、スクランブルエッグも宇宙で食べられるようになりました。宇宙飛行士の方にとって、朝食に卵が食べられるのはとても嬉しいことなのだとか。フリーズドライ製法なので、お湯で戻すだけで簡単に食べることができます。

女性の宇宙飛行士である山崎直子さんは、朝食にジュースやコーンフレークと一緒によくスクランブルエッグを食べていたそうです。トルティーヤに挟んで食べることもあったそうで、工夫しながら食事を楽しんでいるのがわかります。

「コーヒー」で一息つくことも

コーヒーの写真

リラックスしたいときにはコーヒーを飲むこともあるそうです。フリーズドライ製法を使うことで、コーヒーにとって大事な「香り」も楽しむことができます。

宇宙では、液体はストローを使って飲むのですが、やはりコーヒーはストローではなくカップで飲みたいですよね。そこで宇宙専用の特製カップが開発され、宇宙空間でもカップを使ってコーヒーを飲むことができるようになりました。コーヒーの香りも雰囲気も楽しめるようになり、宇宙飛行士の方も喜んでいたそうですよ。

デザートに「プリン」

プリンの写真

とろっとした食感と甘さが特徴のプリン。実は宇宙食にもプリンがあり、そのおいしさが話題になっているそうです。

フリーズドライ製法で作られたプリンは、四角く固められています。見た目はスープやみそ汁などと同じですが、食べてみるとちゃんとプリンの味がするのだとか。お湯で戻さずにそのまま食べても、スナック菓子のような感覚でおいしいそうです。もちろんお湯で戻せば食感も味もプリンそのもの。

通販などで販売されているので、一般の方でも買うことができます。気になる方はぜひ宇宙食のプリンを食べてみてくださいね。

まとめ

宇宙で食事をするなんて想像もつかないですが、無重力の世界を一度は体験してみたいものですよね。心身ともに厳しい環境で働く宇宙飛行士にとって、日々の食事をおいしく食べられることは本当に嬉しいこと。フリーズドライ食品が宇宙食の開発に大きな影響を与えていたのです。今後もどんな宇宙食が登場するのか楽しみですね。

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KYOKO

食べることと旅行が大好きな女子ライター

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