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2021年にローンチして以来、地球に優しいサスティナブルなライフスタイルブランドとして、根強いファンから愛されている『sylvie(しるびー)』。今回はそのsylvieを立ち上げた株式会社TerraHapi代表の宮田菜月さんに、商品づくりに込める想いを聞いてみました。

身の回りのものから
環境に配慮したものに

――もともとオーガニック製品や環境問題に興味があったのですか?

「ネイリストという職業柄、マスクを着用する機会が多いのですが、マスクによる摩擦や蒸れから起こる肌荒れを経験し、その対処法を調べているうちにオーガニック製品に興味を持つようになりました。その後に新型コロナウイルスが流行して、対面でのお仕事や休業を余儀なくされた自粛期間中、とあるドキュメンタリーを見て、そこから環境問題についても深く考えるようになったんです。

興味を持った分野を深堀りしていくうちに、アレルギーを起こしにくいヴィーガンネイル(動物由来の成分を使わずに環境や人の健康に配慮したネイル)の存在を知り、日本にもぜひ広めていきたいと思いました。しかし、海外から受注するためには会社の実績がないと取り引きしてもらえませんでしたので、まずは実績を残すために自社製品を作ろうと決めました」

――そこで生まれたブランドが『sylvie』ですね。

「『sylvie』はフランス語で“森の妖精”という意味があります。自然に助けて(恵んで)もらって私たちは生活をしていますし、この名前を呼ぶことでいつも思い出せるように。自然と人間との密接さを大切にしたいという想いが込められています」

――最初にローンチされたのはマルチオイルでした。

「環境問題について知れば知るほど、何もせずにはいられないという気持ちになりました。100%環境や自然に配慮した生活をいきなり行うのは難しいけれど、まずは身の回りにあるものから変えていきたいと思って、目を付けたのがマルチオイルです」

[Sylvie Multi Oil]

ユーカリやミント、オレンジ等、30種類以上の天然エッセンシャルオイルをブレンドした100%植物性のマルチオイル。有機のホホバ種子油を原料として、オイルのベタつき感が苦手な方にも使いやすいように軽めのテクスチャーで仕上げています。1本あれば髪にも顔にも、ネイルオイルとしても全身使える優れもの。
https://sylvie-terrahapi.com/items/614dac59306ad3182f82d84b

――実際につけさせていただいたのですが、とても良い香りです!

「ネイルの施術をした後もお客様にネイルオイルをつけて保湿をするのですが、手がベタベタするものは好まれなかったり、香りも甘いものが苦手など好き嫌いもありますので、できるだけ皮脂の成分に近く、さっぱりとした香りになるように改良を重ねて作りました。肌が弱い方にも好評で、一度使っていただいた方からのリピートがとても多いですね」

紆余曲折を経て
発売まで2年かかったコーム

――その後に発売されたのがヘアコームですね。

「実はこのヘアコームは、構想から2年かけてようやく発売することができました。最初に生産を頼んでいた工場がコロナ禍に倒産して、在庫を抱えたまま音信不通になってしまい……。なんとか残っていた製品をもとに新しい海外の工場に依頼をして作ってもらったのですが、細かいニュアンスまで伝える難しさを経験しました。

ようやく製品が完成したのもつかの間、今度は日本に届ける最中に製品が盗難されるという始末(笑)。こうして色々とあったのですが、とてもこだわって作った商品なので、販売することができて本当に良かったです」

――聞いているだけでも大変だったのが伝わってきます(笑)。製品にはどんなこだわりがあるのでしょうか。

「ヘアコームを使っていると、あまり安価なものだとすぐに壊れてしまいますし、かといって丈夫そうな木製のものだと湿気ですぐにカビてしまう。私自身、探してもあまり気に入ったものに巡り合わなかったんです。だったら自分で作ろうと企画しました。

最初はメジャーを持ち歩きながら一つひとつ気になった製品を計り、どんな長さが良いか、厚さはどれくらいが良いか等を模索していきました。そのなかでも一番こだわったのは1センチの厚みです。1センチのコームというのはあまりないですし、折れにくく、持ちやすく、肌あたりも良いので、日常使いがしやすい製品となっています」

[Sylvie ヘアコーム]

石油由来の原料不使用のヘアコーム。植物性原料の酢酸セルロースを使用しているため、一定の条件を満たせば生分解も可能。縦18センチ×横4センチ×厚み1センチで手馴染みも良く、濡れた髪にも使用できる。長年愛されているべっ甲カラーのブラウンとクリームブラウンの2種類。
https://sylvie-terrahapi.com/items/638f5ece1c61f64b1e50e2af

――ギフトにしても大変喜ばれそうです!

「有難いことにギフトに選んでいただける方も増えてきました。Sylvieのオンラインショップで購入いただいた場合、再生紙を使った簡易包装となるのですが、ご要望にお応えしてギフトボックスでの販売も開始しています。これをきっかけに一人でも多くの方に手に取っていただけたら嬉しいですね」

――次の製品にも期待が高まります。

「実際に環境問題として考えたとき、ネイルオフをする際に削って出た粉等は身体に溜まり排出がされないため、アレルギーを引き起こしやすいとも言われています。ネイル市場全体はひろがっていますが、環境面を考えると悲しいことに実は化学物質を排出している側だと気づかされました。一方で海外ではヴィーガンネイルをはじめ、すでに環境に配慮した製品への需要が高まっていますよね。

日本にそこまでないのであれば自分が身近なものから変えていきたいですし、変えていけるように意識して製品化を進めていきたいと思っています。一人ひとりの意識を変えるのは難しいですが、Sylvieの製品のデザインが気に入っていただき、手に取っていただいたものが結果的に環境に配慮した製品だったらベストですよね!そんな製品を普及していきたいと思っています」

――ありがとうございます。ここまで強いマインドを持てるようになるには、何かきっかけがあったのですか?

「私のアナザースカイはハワイなのですが、そこで起きた出来事が視野を広げるきっかけになっているかもしれません」

――その出来事とは?

「過去に1ヶ月間程住んでいた時期があり、その時の出来事です。私はとても神経質で電車が数分遅れるだけでもイラついたりしていましたが、ハワイにいる時にバスが1時間30分も来ないという日があったんです。語学学校に通うために乗らなければいけないバスだったので、仕方なく到着時間に遅れたバスへ乗り込み学校に向かったのですが到着後、遅延の件を先生に伝えたら『誰かが動かしてくれたなら良いじゃん』と一言だけ(笑)。

他にもレストランで汁ものを定員さんが運んで来る際に、つまずき洋服にこぼされてしまったことがあってその時の定員さんの対応は、その辺に置いてあった台ふきを渡されて軽く『sorry』と声をかけられただけ。その件も後日、同じ先生に伝えたら『人間はみんな失敗するものだから!』と言われたんです(笑)。

その先生の言葉を聞いて、今まで日本だと時間通りに物事が進み、過剰サービスをしてもらえるのが当たり前になっていたということにハッとして……。私はその環境に慣れすぎてしまっていたんだなと考えが変わるきっかけになりました」

――その経験が器を大きくするきっかけになったんですね!

「本当に良い経験だったと思っています。私は職業柄、幅広い年齢層の方々とお話する機会もありますので、そういう面では人と違った視点で話を聞けるこの環境にも恵まれているかもしれません。

何も意識せずとも、日常を良いメンタルで過ごせるようになったら良いですよね。そのためには自分の身の回りの物から、環境にも地球にも優しい製品を使っていきたいと思っています」

お話を伺ったのは…宮田菜月(みやた・なつき)さん

株式会社TerraHapi代表、MiMi NAIL TOKYOでmanicurist(マニキュリスト)として活動しながら、地球や環境に優しいモノづくりを目指して製品を企画。自身でも無農薬野菜を栽培している実は農業女子。ig:@natsuki_m51
sylvieのホームページはこちら

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Miki Kawashima

CosmoSpark JOURNAL STAFF

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