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“素材本来の味や個性を活かしたジャムをつくる”をコンセプトに、オリジナルジャム工房「糸 おやつのおみせ」を開業した広島県在住の中村真三子(なかむら・まみこ)さん。おやつにも合うジャム作りをする中で出会った野菜や果物の農家さんや生産者さんたちの思いを汲み、一つひとつ丁寧に全行程を手作業で生み出されるジャムは食べる方の心を引き寄せ続けています。ここでは中村さんがジャムに込めるメッセージを聞いてきました。

未経験から始めた
素材を労うジャム作り

――もともとジャム作りを行っていたんですか?
「全然そんなことはなくて、友人の一言から偶発的にジャム作りに挑戦することになりました。ある時、食パン専門店で働く友人が遊びに来ていた際にテリーヌを振る舞ったんです。その際に『食パンに合うジャムも作れる?』と聞かれて、『やってみる!』と二つ返事で答えてしまって(笑)。そこから、地元でもある広島県三次(みよし)市のピオーネを使ったジャムを作ったのが最初のジャム作りですね」

人気商品「ピオーネ」のジャム

――未経験でのジャム作りはハードルが高く感じますが……。
「最初は図書館に行ってジャム作りの本を読んだり、製作工程の動画を見たりしながら試行錯誤して作っていました。もちろん試作も何回も繰り返して、徐々に形にしていったという感じです。もとを辿ると図書館で素材からパスタや味噌を作る本を読みながら実際に試したりしてきたので、自分で調べながら一から作る料理にも興味があったのかもしれません」

――そこから本格的にジャム作りを開始するきっかけは?
「これもご縁なのですが、私の友人に家族が神職を務めている子がいて、当時朔日(一日)参りという言葉が出始めていたので、友人の神社に挨拶に行ったんです。その神社でたまたま開催されていたのが、地元の農家さんや生産者さんたちが集うファーマーズマーケットでした。そこでたくさんの農家さんと出会うことができて、生産に対するこだわりや思い、品種の違いなどを直接聞くことで多くの学びを得ることができました。

そこで農家さんたちからも『ジャムにしてほしい!』と声を掛けていただいたのですが、その一方で同じ味でも傷がついていたり、少し曲がってしまっている規格外のものは小売店では扱ってもらえなかったりと……、そんな農家さんたちの苦労も聞きつつ、フードロスの観点からも『その野菜や果物を使って新しいジャムに生まれ変わらせよう』とチャレンジ精神が高まりました」

――商品の製造過程はすべて中村さんがおひとりで手がけているのですか?
「はい、まずは農家さんとしっかりと話をして野菜や果物を選ぶことから始めて、その後のジャム作りや瓶詰め、商品パッケージのデザインにいたるまで自分一人で手掛けています。ジャムは保存食として常備されることが多いですが、糸のジャムは保存料を使わずに完全無添加です。

また、ジャム作りに欠かせない砂糖は北海道産の甜菜(てんさい)糖、レモンは広島県産を使うなど素材本来が持つ味を活かした商品作りにこだわっています。農家さんや生産者さんの顔が浮かぶようにすべての素材の産地を記載して、お客様にも安心して食べていただけるように努めています」

人と人をつなぎ
太く長く続いていけるように

――「糸 おやつのおみせ」の名前の由来を教えてください。
「中島みゆきさんの名曲“糸”のメロディーや歌詞が大好きなので、そこから使わせていただいています。農家さんが作った野菜や果物でジャムを私が作り、そのジャムを食べてくれるお客様がいるというように、一本の“糸”がジャムを通じてどんどん太く、長く続いて、色んな方をつなぐきっかけになりたいという想いを込めています。そして“おやつに合うジャム”を作りたいという思いも付け加えました」

――農家さんとお客様をつなぐ役割も果たす、とても素敵ですね。
「ありがとうございます。まだ『糸 おやつのおみせ』を立ち上げてから日も浅いですが、ありがたいことにイベント出店などにもお声掛けをいただいたり、販路も少しずつ増えてきたりと、一つひとつのご縁に本当に感謝しています。

先日、イベント出店した際に試食をしてくださったお客様が涙を流されていたり、友人にちょっとしたプレゼントでジャムを贈ったら、渡した瞬間に泣き出してしまって……。私の思いももちろんですが、農家さんや生産者さんの思いも込めて、一つひとつ丁寧にジャム作りをしているため気持ちが伝わったのかと思うと、とても嬉しかったですね」

生活を豊かにする
ジャムが主役の新時代に

――糸のジャムには「大豊農園の新雪梨とハレの高原の二ホンハッカのジャム」「落花生とゲランドの初摘塩キャラメル」等、数多くの商品が並んでいます。こういった商品のインスピレーションはどこから湧いてくるのでしょうか?
「実は自分から野菜や果物を求めに行くことはほとんどないんです。その時に出会った農家さんとのご縁を大切に、『ぜひうちの野菜(果物)でジャムを作ってほしい』とリクエストいただいた際はできるだけ商品化するように試作を繰り返しています。食材の組み合わせについては相性の良さを考慮しながら、常にアンテナを張って情報を集めています」

中村真三子さん

――実際にジャムをいただくと食材をそのまま食べているようでとても美味しかったです。
「ある時、お客様がみかんのマーマレードを食べてくれたのですが、『このジャムに合うのはスコーンだね!』と言ってわざわざスコーンを買いに行ってくださったことがありました。もともとジャムはパンのお供という印象が強く、あくまでもメインはパンだったと思います。

しかし、ジャムに合わせてパンやスコーン、焼き菓子等を探していただくことはジャムにとっても幸せなことですよね。糸のジャムには大きめの食材(果肉)を残すように作っていますので、ジャムに合わせる食材によって食べた時の印象が変わってきます。その変化がきっかけで会話が弾んだり、皆さまの食卓を囲むひと時が特別な時間になってくれたら嬉しいです」

INFORMATION

『糸 おやつのおみせ』

[営業時間]
10:00~17:00/定休日:日曜・祝日

[お買い求め方法]
オンラインストア、マルシェなどのイベントやお近くのお取り扱い店舗から
※ご来店販売は行っておりません。

[取扱店舗]
●無印良品アルパーク広島店 広島市西区西区草津新町2丁目26-1
●deuxC 紙屋町シャレオ店 広島市中区基町地下街100号 シャレオ南通り
●始まりの食パン 広島川内店 広島市安佐南区川内5丁目14-21
●始まりの食パン 三次店 広島県三次市東酒屋町549-1
●パンとエスプレッソと本日の 京都府京都市指物屋町371
●yotte-ne広島店 広島市中区中島町10-1 1F
●「EMDM TEAROOM」GREEN SPRINGS E2 2F 209(~2024.10.29)東京都立川市緑町3-1
●髙島屋オンラインストア
●福屋オンラインストア
※店舗により取扱商品は異なります。

公式オンラインショップはこちら→https://ito-jam-oyatsu.stores.jp/

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Miki Kawashima

CosmoSpark JOURNAL STAFF

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