みなさんは「ベトナムの定番料理」と聞いたときに、いったいいくつくらいの料理が頭に浮かびますか?フォー、生春巻き…?意外と知らないものですよね。
ベトナム料理のお店に行っていざメニューを見てみても、「何を頼んだらいいかわからない!」なんて経験をした方はいらっしゃいませんか?
南北に長い地形のベトナムでは、北部・中部・南部と地域ごとにさまざまな料理があり、味付けも地域によって特色があります。そう、実はベトナムは食の宝庫!
今回はそんなベトナム料理の地域ごとの特徴と、定番料理を10個ご紹介します。ベトナム料理レストランや、実際に現地を訪れた際の注文にも役立ちますよ。ぜひ最後までご覧ください。
目次
ベトナム料理の特徴とは?
ベトナムの主食ってなんだかご存知でしょうか。実は日本と同じ、お米なんです。日本のお米より細長いお米が主流で、お米から作った麺やライスペーパーもよく料理に使われています。
ベトナム料理は野菜とハーブがたっぷり入っているのが定番でヘルシーなため、女性を中心に世界中にファンが多いです。
また、特徴的な調味料の1つに「ヌクマム」があります。これはイワシを塩漬けにして発酵させた魚醤(ぎょしょう)で、独特の香りがありますが、出汁醤油のようにコクがあっておいしいです。
ベトナムは南北に長いので、北部・中部・南部と、それぞれの地域で料理の味付けが大きく異なります。
ベトナム北部の料理はシンプルで、さっぱりとした味が定番です。中国に隣接しているため、醤油を使った料理が多いのが特徴。そのため、最も日本人の好みに合うとされています。
一方ベトナム南部では濃く甘い味付けの料理が多く、ハーブや香草、ココナッツミルクが料理に用いられることもあります。
これはベトナム南部がタイやカンボジアと隣接していることから、これらの国の影響を受けたものが多いためです。
間に位置する中部は、料理に唐辛子を多用したスパイシーな料理が多いです。また、かつて王朝(グエン朝)が置かれていたため、宮廷風の凝った料理を堪能することもできます。
ベトナム料理の定番メニュー10選
ではベトナム料理の定番メニューをご紹介していきましょう。あなたの知っている料理はいくつありますか?
定番メニュー①フォー/Pho
フォーは一度は聞いたことのある、定番のベトナム料理ではないでしょうか。米粉を使った麺料理で、牛肉や鶏肉、パクチーなどの香草がトッピングされたものが多いですね。さっぱりとしたスープで、朝昼晩とシーンを選ばないベトナムの国民食です。
定番メニュー②バインミー/Banh Mi
外はサクッと、中はフワッとしたフランスパンの中にレバーパテを塗り、肉や野菜の漬けものとパクチーなどを挟んだベトナム版サンドイッチです。ベトナムにはどの街にもバイン・ミー専門店があり、気軽に楽しめる定番のベトナム版B級グルメです。
定番メニュー③春巻き
ベトナムでは以下3つの春巻きがあります。
♦生春巻き:ゴイ・クン(Goi Cuon)
♦揚げ春巻き:
・ネム・ザン(Nem Ran)※北部
・チャーゾー(Chả giò)※南部
♦蒸し春巻き:バン・クォン(Banh Cuon)
生春巻きはエビとハーブを使うのが定番で、ビーフンと共にライスペーパーで巻いたものです。主に南部で食べられています。砕いたピーナッツと味噌ダレの甘辛ソースで食べるのがベトナムスタイル。
揚げ春巻きは北部と南部とで呼び方が異なり、味付けも異なりますが、日本の揚げ春巻きに近いです。豚肉、春雨、たけのこなどが入っています。
蒸し春巻きは主に北部の家庭料理として親しまれています。具は、豚ひき肉と玉ねぎ、キクラゲが定番ですが、エビを使ったものも多いです。
定番メニュー④ブンボーフエ/Bun Bo Hue
ベトナム中部の「フエ」という地域の料理です。「ブン」はビーフン、「ボー」は牛を意味しており、前述のフォーによく似た料理です。
スープはフォーよりも濃い目で、中部の料理らしく唐辛子を使うため少し辛いのが特徴。しかし、レモングラスや空芯菜、コリアンダーなどが入っているので、意外とペロッといけてしまいますよ。
定番メニュー⑤ソフトシェルクラブ唐揚げ/Soft shell crab
ソフトシェルという小さなカニを殻ごと揚げた料理です。殻はカリッと、中はふわっと、カニのうまみを丸ごと味わえる逸品です。うーん、これは、ついついお酒が進んでしまいそうですね!
定番メニュー⑥ゴイドゥードゥー/Gỏi đu đủ(青パパイヤサラダ)
「パパイヤのサラダ!?」と驚くかもしれませんが、青いパパイヤは東南アジアでは定番の食材。瓜のような食感が楽しめます。
この青パパイヤを千切りにして、豚肉やエビ、ハーブやピーナッツとともに和えます。
タイにも「ソム・タム」という青パパイヤサラダがありますが、ベトナムのものは辛味がマイルドなので、辛いものが苦手な方でも安心して食べられますよ。
定番メニュー⑦バイン・セオ/Banh Xeo
ベトナム風お好み焼きと説明されることの多いバイン・セオですが、米粉で作ったクレープのような生地で具材を包んだ料理です。生地にはターメリックを混ぜるため、黄色いのが特徴です。豚肉やエビ、もやしなどがたっぷり入っていて、食べ応えのあるベトナム料理です。
定番メニュー⑧カオ・ラウ/Cao lầu
カオ・ラウは、ホイアンの名物麺料理。うどんのようにしっかりしたコシのある米粉の太麺に、チャーシューや、揚げてカリカリになったワンタン、香草などをトッピングします。スープの代わりに甘めのタレをかけ、全体的に絡ませて食べるスタイルです。
定番メニュー⑨ラウ・ムオン・サオ・トーイ/Rao Muong Xao Toi
野菜料理を一品加えたいときにおすすめなのが、このラウ・ムオン・サオ・トーイ。空芯菜のニンニク炒めです。シャキシャキとした歯ごたえの空芯菜を、ニンニクとヌクマムで味付けした、シンプルながら飽きのこないベトナム料理です。
定番メニュー⑩チェー/Chè
チェーは日本のかき氷とぜんざいを合わせたようなもので、ベトナムでは定番のスイーツです。甘く煮た小豆やタピオカ、寒天、フルーツに、削った氷と甘いシロップをかけていただきます。
冷たいものが多いですが、温かいチェーもあるそうですよ。いろいろなバリエーションが楽しめるので、ぜひベトナムを訪れた際にはトライしてみてくださいね。
まとめ
タイや中国、カンボジア、フランスなど、多くの国の影響を受けながら発展したベトナム料理。食を通じて、ベトナムの歴史を感じることができるのは大変魅力的です。訪れる地域によって、まったく違った料理を楽しむことができるのもおもしろいですよね。
最近ではヘルシー志向や多国籍料理の発展によって、ベトナム料理などエスニック料理を扱うレストランも増えてきました。今まで注文のレパートリーが少なかった方は本記事を参考に、まずは定番のメニューからトライしてみてください。
そして、ぜひ「あなたの」定番ベトナム料理を見つけてみてくださいね!
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