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日本の中でも観光地として人気のある沖縄。きれいな海と沖縄らしい食事を楽しみに行く方も多いのではないでしょうか。
人との繋がりを大事にしている沖縄では、年間を通してたくさんの行事があり、食を通して親戚や地域の人たちと交流を深めます。

そんな沖縄の伝統料理には、沖縄の歴史や人々の知恵がたくさんつまっているのです。
そこで今回は、沖縄料理の魅力と文化をご紹介していきます。島独自の食材や調理方法を知って、沖縄の「食」をさらに楽しみましょう。

沖縄の食文化とは

ゴーヤチャンプルーの写真

同じ日本でも独自の文化や歴史をもつ沖縄。沖縄料理といえば「ゴーヤチャンプルー」や「ソーキそば」などが思い浮かびますよね。

実は沖縄の伝統的な料理は、アメリカの影響を受けている「沖縄料理」と、中国の影響を受けている「琉球料理」に分けることができるのです。

琉球王国時代には中国との交流がさかんだったため、中国の食文化が取り入れられたそう。
中国皇帝の使者をもてなすための料理や、厳しい自然環境の中で生み出された料理が今でも受け継がれています。

その後、第二次世界対戦が終わってからの約27年間、沖縄はアメリカの支配下におかれます。
終戦直後は食料が十分になかったため、アメリカからの配給に頼るしかなかったそう。そこで食べられていたのが「コンビーフ」や「スパム」などの缶詰食品だったのです。

沖縄ではもともと豚肉を食べる食文化があったため、肉製品はすぐに受け入れられたそうです。アメリカの文化を取り入れながら、沖縄独自のレシピが作られてきたのですね。

同じ料理でも沖縄料理と琉球料理では違う食材が使われることも。
食堂などで食べることのできる「チャンプルー」は、アメリカから輸入されているポークランチョンミートを使うと沖縄料理風に、茹でた豚三枚肉を使うと琉球料理風になります。

お店によって味も少しずつ違うので、沖縄旅行にいった際にはぜひ食べ比べてみてくださいね。

アメリカの影響を受けた「沖縄料理」

第二次世界大戦後、アメリカからの影響を強く受けていた時代に作られたのが「沖縄料理」。
アメリカの食文化が残っているため、濃い味付けが特徴です。

ポークランチョンミートなどの缶詰を使った「スパムおにぎり」や、サルサソースとチーズを使った「タコライス」などが代表的な沖縄料理です。

沖縄料理は県外の食材も多く使われているため、沖縄以外の場所でも食べることができます。また沖縄の米軍基地周辺には、ステーキやハンバーガーのお店が今でもたくさんあります。

安くてボリュームのあるものが多く、観光客にも人気があるようです。近くまで行った際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。

定番の沖縄料理

スパムおにぎりの写真

アメリカの軍人に向けて、安くてボリュームのある食事を提供したいという思いから作られたのが「タコライス」です。

メキシコ料理の「タコス」をヒントに、ひき肉やチーズ、トマト、レタスなどをご飯にのせてスパイシーに仕上げたもの。

今では沖縄のソウルフードとなっていますが、実はアメリカの文化が取り入れられていたのですね。

「スパム」や「チューリップ」とも呼ばれる「ポークランチョンミート」も沖縄のソウルフードです。
もともとは戦後の配給として食べられていたもので、今でも沖縄の定番料理によく使われています。

卵と一緒にいためた「ポークたまご」や、おにぎりにした「スパムおにぎり」は沖縄の朝食としてよく食べられています。
沖縄にはスパムおにぎり専門店などもあり、気軽に楽しむことができるのでぜひ食べてみてくださいね。

沖縄の歴史を感じる「琉球料理」

ラフテーの写真

約570年前に成立した琉球王国。東南アジアや中国と交流しながら、独自の文化を作ってきました。
そのときの食文化や調理方法などを受け継いでいるのが「琉球料理」です。先人が残してくれた食文化を今でも大事にしているのですね。

「アジクーター(濃厚な味)」という沖縄の方言があり、これは「かつおや豚などのだしの旨味がきいた味わい」という意味だそう。
しっかりだしをとることで塩分も控えめになり、健康にもいいのが琉球料理の魅力です。

また島でとれる野菜は太陽をたっぷり浴びて育っているため、栄養も豊富に含まれています。
島でとれた新鮮な野菜のおいしい食べ方を知っているのは地元の方たち。食材の良さをいかすためにも、琉球料理の伝統的な調理方法は欠かせないのですね。

そんな琉球料理は「宮廷料理」と「庶民料理」の2つに分けることができます。それぞれの料理ができた背景や、使っている食材の違いについてご紹介していきます。

おもてなしのための「宮廷料理」

ソーキそばの写真

琉球王国時代に各国からやってくる客人をもてなすためにつくられたのが「宮廷料理」。
宮廷行事や儀式などで外国から王や首相が来たときには、手の込んだ料理を振舞っていたそうです。

宮廷料理には、色や形が美しい「東道盆(トゥンダーブン)」と呼ばれる琉球漆器が使われていて、料理だけではなくお皿も華やかにするのが特徴です。

豚肉の塊を砂糖や醤油、泡盛でじっくり煮た「ラフテー」は代表的な宮廷料理のひとつ。
もともとは中国の「トンポーロー」という豚の角煮料理を、琉球の王様がとても気に入ったため、沖縄風にアレンジされて宮廷料理になったのだとか。

とろとろで柔らかいラフテーは、沖縄グルメとして今でも人気がありますよね。

栄養たっぷりの「庶民料理」

伝統的なお皿の写真

亜熱帯の気候で育った食材、家族や地域とのつながりを大事にする文化、庶民の暮らしから生まれた知恵を活かしてつくられたのが「庶民料理」。裕福ではない生活の中でも、ある食材を上手に活用し、栄養バランスのとれた料理が多いのが特徴です。

島豆腐と季節の野菜を炒めた「チャンプルー」は、食材が少ない中でも栄養をしっかり摂れるようにと考えてつくられた料理。豚肉・昆布・大根のたった3つの食材から作られる「ソーキ汁」も、タンパク質・ミネラル・ビタミンが含まれる栄養満点の料理です。

沖縄の方言で「クスイムン」や「ヌチグスイ」という言葉があります。
お年寄りなどが食べ物のことをこのように呼ぶのですが、本来は「薬」や「命の薬」という意味なのだとか。

薬が手に入りにくい時代、食べ物は健康維持だけでなく薬の役割も担っていたそうですよ。食べ物をしっかり食べることで病気も治す、という考え方が古くからあったのですね。

うちなー料理が長寿の秘訣

沖縄県は全国の中でも平均寿命がもっとも長い「長寿の県」だと知っていましたか。その秘訣は沖縄の食文化にあるともいわれています。

沖縄の伝統料理には豚肉を使ったものが多く、さらに調理方法も茹でたり煮込んだりするものが多いのです。

栄養満点の豚肉は健康のために欠かせない食材ですし、柔らかく調理されていることでお年寄りの方でも食べやすくなっています。

また豚肉と一緒に食べられるのが豆腐や野菜、海藻です。
落花生から作られる「じーまみー豆腐」や温かい海でとれる「海ぶどう」、沖縄でたくさん栽培されている「ゴーヤ」など、一緒に食べる食材も栄養豊富なものが多いのですね。

サッと炒めるだけの簡単な料理も多く、手軽に栄養バランスが整った料理が多いことが「長寿の県」の理由だったのです。

まとめ

アメリカや中国など海外の文化も取り入れながら、今の沖縄料理は作られてきたのですね。
島食材の良さを活かした調理方法や、栄養バランスを考えて作られた伝統料理が今でも受け継がれているのは、人々の繋がりがあったからこそかもしれません。

沖縄の歴史や食文化を知ったうえで観光に行くと、また違った楽しみ方ができそうですよね。沖縄に行った際には、ぜひいろいろな沖縄料理を食べてみてくださいね。

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KYOKO

食べることと旅行が大好きな女子ライター

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