だんだんと寒い日が増えてきましたね。冬になるとお鍋や煮込み料理など、体の温まる料理が食べたくなる方も多いのではないでしょうか。野菜や果物などそれぞれの食材には「旬」があり、その食材を使った料理が季節のメニューになることも多いですよね。
そこで今回は、「冬が旬の食材」をご紹介していきます。旬の食材を食べるとどんないいことがあるのかも一緒にご紹介するので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
目次
旬の食材を食べるメリット
「旬」とは、その食材がたくさん収穫できる時期、もっとも味のいい時期。スーパーマーケットでは一年中おいしい野菜や果物を買うことができますが、実はそれぞれの食材には旬があるのです。旬の食材を食べるとどんな嬉しいことがあるのでしょうか。
新鮮でおいしい!
同じ食材でも旬の時期とそうでない時期に食べるのでは、栄養価が全く違うということを知っていましたか。ある研究では、旬のほうれん草と旬ではないほうれん草の「ビタミンC」には約4倍もの差がある、という結果が出ているそうです。
野菜や果物は自然の中で育つため、気温や気候の変化を受けやすいのが特徴。とくに厳しい寒さの中で育った冬の食材は、寒さに負けないよう細胞に糖を蓄えます。そのため甘くて糖度の高い野菜が多いのですね。
また旬の食材は味が濃いので、調味料などを使わずに素材の味を楽しむことができるのも嬉しいポイント。塩分控えめでヘルシーな調理方法は、体にとっても優しいですよね。シンプルな味付けで、その食材のもつおいしさを存分に味わってみてください。
値段が安くなる
旬になると出荷される量が多くなるため、価格も安くなります。たしかに旬ではない時期でも野菜などを買うことはできますが、ハウス栽培にかかる労力や光熱費などを考えると、どうしても価格は上がってしまうもの。
その食材がもっともおいしい時期にもっとも安くなるなんて、嬉しいことづくしですよね。旬の食材を活かした料理のレパートリーを増やせば、お財布に優しいことはもちろん、料理の腕もあがるのではないでしょうか。今年の冬は、ぜひ旬の食材を使った料理にもチャレンジしてみてくださいね。
季節を感じよう
せっかく四季のある日本に住んでいるのですから、食とともに季節の移り変わりも楽しみましょう。旬の食材を食べたり香りをかぐことで、その季節の思い出が蘇ってくるというのもなんだか素敵ですよね。
また旬の食材には、その季節に体が必要としている栄養素が豊富に含まれているものが多いのも特徴。寒くなり風邪などをひきやすくなる冬には、ウイルスに負けないよう免疫力アップの効果をもつ野菜が多いのです。ごぼうやれんこんなどの根菜類には、体を温めてくれる効果もあるのですよ。
私たちの体に必要なものを旬の食材が補ってくれているのですね。自然に感謝しながら食材をいただくと、また違った味わいになりそうです。
食料自給率アップにもつながる
食料自給率とは、国内で消費される食べ物がどのくらい国内生産によってまかなえているかを示すものです。たとえば、ある食材の食料自給率が30%だとすると、残りの70%は輸入に頼っているということになります。
つまり国産の食材が増えれば増えるほど、食料自給率はあがるということ。しかし日本の食料自給率はまだまだ低いのが現状です。カナダやオーストラリアが200%以上あるのに対し、日本の食料自給率は約35%ほど。食材によっても差はありますが、半分以上は輸入食品ということになります。
実は「旬」の食材を食べることは、食料自給率アップにもつながるのです。旬の食材をたくさん食べることで、生産者の方達を応援することができます。たくさん売れれば、生産者の方達にとってやりがいや喜びにもなりますよね。
最近では、その地域でとれた食材はその地域で消費しようという「地産地消」の考えも広がってきました。日本で作られたものを日本で消費することが、食料自給率アップにつながるということを覚えておきましょう。
冬が旬の食材
ここからは冬が旬の食材をご紹介していきます。冬によく食べる料理や冬の行事に食べる料理には、冬が旬の食材が使われていることが多いのです。昔からの伝統が今でも残っていると考えると、やはり先人の知恵というのは素晴らしいですね。
野菜
冬が旬の野菜は、お鍋や煮物など体を温めてくれる料理に使われていることが多いですよね。中でも冬になると栄養やおいしさがアップする食材をご紹介します。
かぼちゃ
一年でもっとも夜が長く昼が短い日を「冬至」と呼び、かぼちゃを食べるのが風習となっています。栄養満点で長期保存もできるかぼちゃは、寒い冬でも食べられる貴重な野菜のひとつだったそうです。厳しい寒さもかぼちゃを食べて乗り切ろう!という、昔の人の知恵と思いが、今でも風習として残っているのですね。
かぼちゃの皮にも栄養はたっぷりと含まれているので、皮ごと煮たり蒸したりするのがおすすめですよ。
白菜
お鍋の季節に欠かせない白菜は冬が旬の野菜です。白菜には50〜70枚もの葉があり、内側、外側、芯などの場所によって甘さや栄養が違うのを知っていましたか。
内側の葉は、柔らかく甘みがあるので、お鍋や蒸し料理にするのがおすすめです。外側の葉は、硬めで少し苦味があるので、八宝菜などの炒め物に向いています。芯に近い部分は甘みが強いので、サラダなどにして生で食べることもできますよ。
れんこん
シャキシャキとした食感がおいしいれんこん。穴が空いていて先を見通せることから、「見通しがいい」という縁起物で、おせち料理などにも使われます。薄切りにして生で食べてもいいですし、厚めに切って煮物や汁物にしてもおいしいです。細かく刻んでハンバーグなどに入れると、もちっとした食感も楽しめますよ。
れんこんにはビタミンCが豊富に含まれていて、さらに加熱しても壊れにくいのが特徴。食物繊維もたっぷりなので、お通じ改善の効果も期待できます。
かぶ
新しい年の無病息災を祈るために、1月7日に「七草がゆ」を食べる習慣がありますよね。かぶは「春の七草」のひとつで、「スズナ」とも呼ばれています。冬の行事に冬の食材が使われているのは、偶然ではなく昔の人の知恵がつまっているのだと感じますよね。
白い部分にも葉の部分にも栄養がたくさんあるので、煮物やお味噌汁にするときはぜひ葉の部分まで一緒に使って調理してみてくださいね。かぶには消化を助ける働きがあるので、食べ過ぎなどで胃腸が疲れている年末年始におすすめの食材です。
果物
果物の中にも冬が旬のものがいくつかあります。クリスマスが近くなると、いちごのショートケーキがたくさん並びワクワクした気持ちになりますよね。その季節のイベントには、旬の果物が使われているのですね。
いちご
赤くて甘酸っぱいいちごは冬の代表的な果物です。春に白い花を咲かせるいちごは、12月ごろから収穫の時期に入ります。いちごにはビタミンCがたっぷりと含まれていて、7〜10粒ほど食べれば1日に必要なビタミンCを摂ることができるのです。
水分が多くヘルシーなので、冬のデザートにもぴったりですよね。ジャムやジュースなどにしてもおいしいので、ぜひ試してみてくださいね。
みかん
冬にこたつに入りながらみかんを食べるのも日本ならではの風習かもしれません。みかんも冬が旬の果物で、10月〜2月ごろが収穫時期となります。
ジューシーなみかんは「ビタミンC」をはじめ、疲労回復に効果のある「クエン酸」や、お腹の調子を整えてくれる「ペクチン」も豊富に含まれています。みかんを保存するときは、ヘタの部分を下にしておくと傷みづらくなるそうですよ。
りんご
青森県でたくさん生産されているりんご。涼しい気候を好み、寒さに強いことから東北地方での栽培がさかんになっています。
かぜの時にはりんごを食べるように、りんごにはお腹の調子を整えてくれたり、体の水分補給、疲労回復などの働きがあります。りんごの皮にはポリフェノールが豊富に含まれているので、よく洗って皮ごと食べるのがおすすめです。
魚
魚はとくに旬を感じる食材なのではないでしょうか。秋になればサンマ、春になればサワラなどがスーパーマーケットに並びますよね。冬にぜひ食べてほしい魚をご紹介していきます。
ブリ
脂がのっていてお刺身やしゃぶしゃぶで食べるブリは冬が旬の魚です。とくに11月〜2月ごろに獲れる肥えた天然の親ブリを「寒ブリ」と呼びます。成長とともに名前を変える魚を「出世魚」といい、ブリもそのうちのひとつ。
関東では小さい順に「ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ」と呼び、関西では小さい順に「ツバス、ヤズ→ハマチ→メジロ→ブリ」と呼ぶそうです。成長過程や地域によって呼び方が変わるのは面白いですよね。お寿司屋さんに行った時にはぜひチェックしてみてくださいね。
牡蠣
「海のミルク」とも呼ばれる牡蠣は、甘くてプリプリとした身がつまった人気の食材。寒い冬には牡蠣鍋やカキフライなどにして食べるとおいしいですよね。
実は完全栄養食品といわれている牛乳と同じように、栄養価がとても高いのが牡蠣の特徴です。とくに鉄や亜鉛などの不足しがちな栄養素が豊富に含まれています。
たら
あっさりとした白身魚のたらは、ヘルシーで栄養も満点。一年中スーパーに並んでいるイメージですが、実は冬が旬の魚です。たらは脂質が少なくタンパク質がたっぷりと含まれているので、ダイエット中の方にもおすすめ。
オスのたらの精巣である「白子」もぷりっとしていてクリーミーでおいしいですよ。ちょっと見た目に抵抗がある方もいるかもしれませんが、どんな料理にもあう白子は実は人気のある食材。たらと合わせて白子もぜひ一度食べてみてくださいね。
まとめ
今回は冬が旬の食材をご紹介してきました。一年でもっとも寒い時期なので、体の免疫力を高めてくれる食材や、体を温めてくれる食材が多い印象ですね。旬の食材を食べることで「生産者の方たちを応援できる」ということもぜひ覚えておいてくださいね。今年の冬は旬の食材をたくさん食べて、体の内側からパワーをつけてみてはいかがでしょうか。
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