皆さん、今年の「冬至」がいつだかご存知ですか?
「そもそも冬至って何する日だっけ?」「冬至の日に柚子湯に浸かった記憶がある!」こんな方もいらっしゃるのでは?
一般常識としてもぜひ知っておいていただきたい冬至。今回は冬至の由来や食べ物、そして過ごし方についてお話します。
先人の知恵や歴史が垣間見える、実に興味深い内容となっていますよ。
目次
冬至とは?
冬至は「二十四節気」の1つです。
二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにその4つをそれぞれ6つに分けたもののこと。
季節を表す言葉として使われています。
1年を通じて最も日照時間が短い日(北半球の場合)が冬至に当たります。
冬至に向かって日に日に日照時間が短くなっていたものが、冬至を境に再び長くなり始めるため、太陽の力が蘇る・太陽が生まれ変わる日などとして捉えられています。
そのため冬至の日は世界各地で様々な風習が行われているんですよ。
2021年の冬至はいつ?
今年2021年の冬至は、12月22日。毎年この日というわけではなく、1日程の振れ幅で微妙に異なっています。ちなみに去年2020年は21日、来年の2022年は22日だそうです。
冬至=「最も日没が早い」「最も寒い」日ではない
冬至は1年で最も日照時間が短い、つまり夜が長い日とご説明しました。
勘違いしている人も多いのですが、
冬至は日没の時間が1番早いわけでも、日の出が1番遅いわけでもないんです。
日本の場合は日の出が最も遅い日は冬至の後に、そして日の入りが最も早い日は冬至の前にやってきます。
また、最も日照時間が少ない日ではあっても、冬至が1番寒い日というわけでもありません。
冬至は毎年12月22日前後に当たりますが、1年のうちで最も寒いとされる時期は1~2月。
積雪が頻繁に観測されるのもこの頃だと思います。これは6月の夏至も同様で、その頃よりも8月の方が気温が高いですよね。
地球全体の温度変化には膨大なエネルギーが必要なので、実際の気温変化は太陽の動きよりも遅れる傾向にあるためだと考えられています。
冬至の過ごし方
では実際に冬至の日はどのように過ごすのでしょう?日本での習慣をご紹介していきます。
柚子湯に浸かる
この習慣は江戸時代にまで遡るそう。
「冬至」を「湯治」に、「柚子」を「融通」にかけて、お風呂屋さんが始めたとされています。
さすがは江戸っ子ならではのしゃれた発想ですよね。
「融通の利く」人間になってうまく世間を渡っていけるように、との願いが込められているそうですよ。
我が家では冬至に限らず、冬は柚子湯に浸かりますよ。 柚子は血行を促進し身体を芯から温めてくれる効能があります。 風邪の予防や冷え性に悩む方はぜひお試しあれ。
また、果皮にはビタミンCやクエン酸が含まれているので、美肌効果も期待できそうですね♪(でも結構滲みるので、肌が弱い人は様子をみながら無理せず試してみてくださいね。)
「ん」のつくものを食べる
冬至には「ん」のつくものを食べると運が呼びこめると言われていますが、なぜ「ん」が縁起が良いとされているのでしょうか?
「ん」の音は「運(うん)」に通じることから、語呂合わせで「ん」がつくものは「運」がつくとして定着しました。
また、いろは唄でも「ん」は50音の終わりの音ですよね。
冬至の物事にいったん区切りをつけ、新しいスタートをきるというイメージと「ん」がつく食材はこういった理由から相性が良いと考えられています。
冬至に食べるもの
「ん」のつく食べものが縁起が良いとされるのは上述の通り。さらに「ん」が2つ付くと「運」も倍増すると考えられ、これら7種は「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれています。
【冬至の七種】
なんきん:南京(かぼちゃ)
れんこん:蓮根
にんじん:人参
ぎんなん:銀杏
きんかん:金柑
かんてん:寒天
うんどん:饂飩(うどん)
春の七草は有名ですが、冬至にも七種があるのはご存知ない方も多かったでしょう。
現代のように医療も発達していなかった時代。人々は無病息災を願いながらこうして運気の上がるものを取り入れ、寒い冬を乗りきっていたのですね。
冬至粥
小豆の赤色には邪気や鬼・悪霊などを祓う力があると考えられていました。太陽の力が弱まる冬至の日に、小豆粥を食べることで悪い気を追い払おうとしたのですね。
元々この小豆粥は中国で根付いていた風習ですが、日本にも伝来し今でもこの風習が残る地域もあるそうです。(ちなみに我が家では冬至に小豆粥は食べません)
かぼちゃ
かぼちゃは漢字だと「南瓜」と書きます。
これは「なんきん」と読むことができるので、「ん」のつく縁起の良い食べ物の1つでしたね。
冬至は陰が極まり再び陽に変える日。つまり陰(=北)から陽(=南)へ向かうことを意味しています。南瓜と書くことのできるかぼちゃは、まさに冬至にふさわしい食べものというわけです。
また、栄養の面でもかぼちゃはビタミンAやカロチン(カロテン)が豊富なので、風邪予防に効果的。かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が可能な野菜なので冬までもち、貴重な食料として扱われていました。今のように食料が豊富ではなかった時代、冬の貴重な栄養源としてかぼちゃ食べていたことも理由の1つとされています。
かぼちゃのいとこ煮
このかぼちゃと先にご紹介した小豆の最強タッグ料理が「いとこ煮」。
いとこ煮とは、固くて煮えにくい食材から順に煮ていく煮物を指します。「追追(おいおい)」煮ていく→「甥甥」と連想できるため「いとこ煮」と呼ばれます。
ちなみにかぼちゃに限らず、他の煮物でも固いものから煮ていくものは同様にいとこ煮と呼ばれます。
こんにゃく
冬至にこんにゃくを食べることを「砂おろし」と称してこんにゃくを食べる地域もあります。
こんにゃくは老廃物を吸着して便と一緒に体外に排出してくれる、言わば身体の掃除屋さん。
身体に溜まった砂(=毒素)を出してくれると考えられていたこんにゃくを冬至の日に食べて1年分の汚れを落とし、身体をきれいにリセットして新たな1年を迎えるという意味が込められています。
まとめ
さて、実に奥深い冬至についてご紹介してきましたが、
ご実家などで経験したことのあるものはありましたか?
食べ物や医療に困らない現代ではその慣習は失われつつありますが、風邪1つとっても昔は恐ろしい病だったのでしょう。1つ1つの慣習にきちんと意味があり、様々な願いが込められていることがおわかり頂けたかと思います。 ぜひ今年の冬至は、かぼちゃを食べたり柚子湯に浸かったり、なにか1つでも冬至にまつわるものを実践していただけたら嬉しいです。
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