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タイ社会の光と影編1 山岳民族とタイ社会について(1)

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  • 2023.03.12

コスモス食品のマッドサイエンティストこと中田です。

今回はこれまで何度か紹介いたしましたが、タイ国の山岳民族問題についてお話させていただきます。タイコスモスがある「チェンライ県」はタイ国の最北端にある場所で、ラオス・ミャンマーの国境にあたります。

4分の1の方が無国籍。山岳民族問題

タイ国の山岳民族は全人口の約1.5%(約90万人)となり、この山岳民族の方のほとんどが「チェンライ県」を始めとする北部の県に集中しております。

この方々の多くは、200年以上前に中国南部雲南付近からミャンマー・ラオスを経てタイ北部にたどりついたとされております。

その間に2度の大戦や中国国共内戦・東西冷戦の激動の中で、山岳民族の方々は時代の荒波に翻弄され続けました。
(以前にお話しした「ドイディンデン」のSomluck Pantiboon様とたまこさんは、東西冷戦期にこの地域で中国共産党軍と米国CIA・台湾国民党軍との衝突で迫害を受けた山岳民族の方々を救う活動を行っていたそうです。)

この移住に対し、1974年にタイ政府は山岳民族にもタイ国籍を与えることを決議しました。しかしながら、収入面・土地面・民族差別等々の様々な問題により国籍を取得できず未だに約4分の1の方が無国籍であると言われ、貧困の連鎖の悪循環から抜け出すことが極めて困難な状況にあります。

小さな活動の積み重ねからよりよい未来を目指して

私達タイコスモスとしても、そんな山岳民族の方々に少しでも協力出来ればと、カフェで伝統工芸品の販売やコーヒー豆の買い取り、「NatureFutureFarm」での雇用を実施しておりますが、まだまだ、小さな力でしかありません。

その次の展開としては、学校を卒業した若い人たちを雇用する取り組みを試みております。これも以前にお話ししましたが、何等かの問題や事件に巻き込まれた山岳民族の子供達を保護し教育を受けさせている「アリヤさん」をご紹介しましたが、この学校の卒業生達をタイコスモスに雇用しようとする活動を進めております。

しかしながら、両親の問題・無国籍問題などの様々な制度的な問題で私達のような日系外資系企業が安定的な雇用を確保する為には高いハードルが存在し一筋縄ではいかないという現実に直面しております。

制度的な問題をクリアするために、このような学校や子供達と良好な関係を築いている事や社会的に問題が無い事を証明してゆく為に、タイコスモスと山岳民族の方々との関係性を社内外に、特に行政の方々に伝わるように繋がりを積み重ねて信頼してもらうことだと考えております。

その取り組み一貫として、子供達に「NatureFutureFarm」での体験作業や共同事業・差し入れ・寄付等を行っております。

交流会の様子

交流会の様子

小さな取り組みではありますがこれらの取り組みが大きな取り組みに繋がると思っております。 

アリヤさんの学校に居る子に、ここの生活は楽しいと聞いた時に、屈託のない清々しい笑顔でこう答えてくれました。

So happy!!

その笑顔は、見ている私が逆に幸せになるほど素敵な笑顔でした。

だけど、その笑顔の裏に辛い過去や過酷な運命を背負っている事に胸が締め付けられるような思いをしました。

私達の活動は小さな活動だと思いますし、それで社会を急激に大きく変化させることは出来ないかもしれません。ただ、自分達の気遣いや出来る事を積み重ねてゆく事が良い未来に少しずつ近づけると思っております。これも私達の大切なミッションの一つです。

つづく。

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