鮮やかな色とその華やかさで私たちの生活に彩りを添えてくれる花。料理やドリンクに花が添えられているのを見たことはありませんか?これらは単なる飾りの花ではなく、食べることのできる花「エディブルフラワー」かもしれません。
今回はそんな食べられるお花、エディブルフラワーと、その活用方法についてご紹介したいと思います。
目次
エディブルフラワーとはどんなもの?お花の力で食卓に彩りを
「エディブルフラワー」は、英語で「Edible(=食べられる)Flower(=花)」。その名のとおり、食用花のことです。
ヨーロッパではハーブや野菜と共に、実はエディブルフラワーも日常的に使われていて、野菜同様にとてもヘルシーな食材。
ただし花なら何でも良いというわけではなく、食用として安全に栽培されたことが担保されている花だけがエディブルフラワーと名乗ることができます。その辺に咲いている花やフラワーショップに売られている花は、農薬が使われていたり毒をもつものもあったりするので、決して食べてはいけません。
実はエディブルフラワーは栄養も豊富
野菜は栄養が豊富なイメージがありますよね。実はエディブルフラワーも野菜と同様、多くの栄養素を含んでいます。
ビタミンやミネラルをはじめ、カルシウム、鉄、カリウム、葉酸、食物繊維などのほか、ポリフェノールなどが含まれています。
見た目も鮮やかで美しく、食べることもできて、さらに栄養も豊富とあれば、これはもう使わない手はありませんね!
エディブルフラワーの種類
エディブルフラワーの概要がわかったところで、具体的な品種をみていきましょう。実はエディブルフラワーとして流通する品種は約70種類もあるんです。ここでは、みなさんにも馴染みのあるエディブルフラワーに絞ってご紹介していきます。
パンジー
パンジーはレタスのような淡白な味をしており、料理の味を邪魔することがありません。花の色はピンク、黄、白、オレンジ、赤、紫、青など単色のほか、複色もあって非常にカラフルです。サラダをはじめ、スイーツなどによく使われます。
ローズ(バラ)
花の女王の名にふさわしい、最も美しい花、ローズ。1輪飾るだけでどんな料理もパッと華やかに見えるから不思議です。ローズの赤色は交感神経を刺激するため、食欲増進などの効果も期待できますよ。
スイートピー
スイートピーはフリルのようなかわいらしい花を付けます。淡い色のものが多いので、メインディッシュを邪魔せずにそっと華やかさを添えてくれるでしょう。ほんのり甘い香りがするため、ケーキなどの飾りにするのが王道の使い方です。
マリーゴールド
マリーゴールドは花の中心部にやや苦みがあるため、花びらを1枚ずつ取り外して食べるのが基本です。通年流通しているため必要なときに手に入りやすい、人気のエディブルフラワーです。黄色やオレンジの鮮やかなビタミンカラーは、元気を与えてくれそうですね。
ベゴニア
ベゴニアは花が肉厚で、シャキシャキとした食感を楽しめるエディブルフラワー。爽やかな酸味があるのが特徴で、サラダのほか、ヨーグルトやゼリーなどさっぱりとした料理におすすめです。
ハイビスカス
南国やリゾートをイメージさせるハイビスカスは、ローズ同様ひと房で存在感をはなってくれるエディブルフラワー。夏の食卓やパンケーキ、アジア料理と合わせると一気に雰囲気が増しますよ。
クエン酸やビタミンC、リンゴ酸を多く含むため、酸味が強いエディブルフラワーです。そのためハーブティーとしても人気ですね。
カモミール
カモミールはリラックス効果や安眠効果が期待できるとされ、ハーブティーとして親しまれています。その小さく可憐な花は、ほのかに青りんごのような芳香を放つことから、デザートのトッピングやカクテルなどにそっと添えて楽しむと良いでしょう。
クローバー
ヨーロッパの言い伝えに、「四葉のクローバーを見つけた人には幸運が訪れる」というものがあります。そのため、お祝いの席にはぜひとも添えたいエディブルフラワー。
マメ科のため豆苗のような味がしますが、香りはほとんどありません。
キク(菊)
キクは日本が誇るエディブルフラワーの1つ。お刺身と共に飾られているのが定番ですね。
遡ることなんと平安時代頃から、食用として親しまれてきたエディブルフラワーなのだとか!ほのかな甘さとほろ苦さがあり、大人の味です。
サクラ(桜)
日本を代表するもう1つのエディブルフラワーといえば、そう、サクラ。
花の部分を塩漬けにし、桜餅やあんぱんなどの和菓子に使われています。
塩漬けにはピンク色が美しい「八重桜」が使われることが多いです。きれいなピンク色は、春を感じさせてくれますね。
エディブルフラワーの保存方法と使い方
エディブルフラワーについて理解が深まってきたところで、実際の使い方が気になりますよね。
ここからはエディブルフラワーの保存方法や活用法、ちょっと変わったアレンジ方法をご紹介します。
エディブルフラワーの保存方法
エディブルフラワーは、上述のサクラのように塩漬けにして長期保存するものもありますが、これは日本ならではの伝統的な保存方法。基本的には生のまま使う方法と、乾燥(ドライ)して使う方法の2種類があります。
生のエディブルフラワーは、鮮度が落ちやすく傷もつきやすいため、丁寧に扱いましょう。2日~長くても5日くらいを目安に使い切るようにします。
乾燥しないように、湿らせたキッチンペーパーの上にエディブルフラワーを乗せ、ふわっとラップをかけて野菜室で保管しましょう。
一方のドライタイプのエディブルフラワーは長期保存が可能で、消費期限は1年ほど。
香りや見た目の美しさは生のものに敵いませんが、扱いやすく保存がきく点は大きなメリットですね。
エディブルフラワーの活用例
エディブルフラワーの活用例を4つほどご紹介します。参考にしてみてください。
①添える
まずは王道の活用方法「添える」。生のエディブルフラワーを使います。
サラダはもちろん、ケーキのトップに、デザートの上にと、そこにエディブルフラワーを添えるだけでパッと華やかな印象に!
また、エディブルフラワーは実は和食とも相性が良いのです。
ちらし寿司に花びらを一緒に散らせば、より鮮やかな見た目になります。
天ぷらと一緒に添えれば、足りない色味を補ったり、豪華さをプラスしたりすることもできますよ。
②固める
次は「固める」。こちらも生のエディブルフラワーを使い、美しさをそのまま閉じ込めてしまいましょう!
たとえばエディブルフラワーのゼリーはいかがですか?フルーツに混じってエディブルフラワーを加えることでまるで宝石のようなゼリーに早変わり!
氷にエディブルフラワーを混ぜて固めるというアイデアも。ドリンクを注いだグラスに浮かべれば、なんともオシャレなドリンクのできあがりです。
③焼く
ドライタイプのエディブルフラワーを使えば、「焼く」ことも可能です。
たとえば押し花タイプのエディブルフラワーをクッキーの表面に乗せてみてはいかがでしょう。いつものクッキーがグンと華やかになりますよ。
また、ホイップクリームなどに混ぜて焼き菓子の上にかけるのもおすすめ。花の色がほのかに移った上品なクリームは、華やかさをプラスしてくれます。
④淹れる
最後は「淹れる」。こちらは紅茶(ハーブティー)などを想定しています。
生のものでもドライタイプでもOKなので、お好みの方を使ってみてください。
紅茶に向いているエディブルフラワーは、苦味が少なく甘い芳香を放つ、カモミールやハイビスカス、ローズ、スイートピー、サクラなどがおすすめです。
まとめ
エディブルフラワーとは?といった基本的なことから、その種類や活用例についてご紹介してきました。
エディブルフラワーの普段使いはまだハードルが高いかもしれませんが、お祝い事やホームパーティなど、いつもよりちょっとオシャレにしたい!という場にはもってこいですよ。ぜひエディブルフラワーで花(華)のある食卓作りを!
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