健康や美容にもいいとされる発酵食品、ヨーグルト。スーパーやコンビニなどのヨーグルト売り場には、シンプルなものから、グラノーラやフルーツが入ったもの、飲むタイプなど、さまざまな種類のヨーグルトが並んでいます。
ヨーグルトの種類は、大きく分けて5つあり、発酵の仕方も種類によって変わってきます。
本記事ではそれぞれのヨーグルトの特徴や、ヨーグルトの起源・健康効果などについてまとめています。韓国で人気沸騰中のグリークヨーグルト(ギリシャヨーグルト)についても取り上げているので、ヨーグルト選びの参考にしてくださいね。
健康にも美容にも!ヨーグルトのうれしい効果
ヨーグルトはたんぱく質をはじめ、カルシウム・カリウム・マグネシウムなどのミネラルや、ビタミンA・ビタミンB2・ビタミンD・葉酸・パントテン酸といったビタミンをバランスよく含んでいます。
栄養素は牛乳とほぼ同じですが、日本人は「乳糖不耐症」の人が多いので、ヨーグルトがおすすめです。乳糖不耐症は牛乳をうまく消化できず、飲むとお腹を下しやすいです。
ヨーグルトは発酵の過程で乳糖が分解されるため、乳糖不耐症の人でも安心して取り入れることができます。
また、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌は、善玉菌の一種です。善玉菌は腸内で悪玉菌と戦い、腸内環境を整える役割を担っています。善玉菌は免疫細胞の働きを活発にするので、感染症に負けない体づくりにも寄与します。
栄養素が豊富でありながら低カロリーなヨーグルトは、まさに健康的な食品でしょう。
ヨーグルトが日本で誕生したのは明治時代
ヨーグルトの起源は古く、6000〜8000年前の中央アジアだと言われています。遊牧民がヤギや羊の乳を容器に入れておいたところ、偶然入り込んだ乳酸菌によって発酵したものがヨーグルトの原形です。
日本では、明治時代になると乳牛が輸入されるようになりました。売れ残った牛乳を発酵させた「凝乳(ぎょうにゅう)」と呼ばれるものが、日本で最初のヨーグルトと言われています。しかし、国民に普及することはありませんでした。
ヨーグルトが広く生産され、食べられるようになったのは戦後になってからのようです。
ヨーグルトの種類
私たちが見かけるヨーグルトの種類は、全部で5つあります。
1つずつ見ていきましょう。
プレーンヨーグルト
プレーンヨーグルトは、乳を乳酸菌で発酵させたヨーグルトです。一般的には、甘みや香料などを加えていないものを指します。
インドのラッシー(ヨーグルトドリンク)、トルコのチュルブル(ポーチドエッグのヨーグルトソースがけ)、ブルガリアのスネジャンカ(水切りヨーグルトのサラダ)など、世界各国にはヨーグルトを利用した伝統料理もたくさんあります。
ハードヨーグルト
ハードヨーグルトは、プレーンヨーグルトに寒天やゼラチンを加えて固めた、プリン状のヨーグルトです。甘味料や果汁を加えることもあります。
日本で最初に発売されたヨーグルトは、このハードヨーグルトだと言われています。
飲むヨーグルト
プレーンヨーグルトを攪拌し、液状にしたものが飲むヨーグルトです。甘味料・果汁・安定剤などを加えて飲みやすくしたものが多いです。
ソフトヨーグルト
ソフトヨーグルトはプレーンヨーグルトをなめらかにし、甘味料や果汁を加えて食べやすくしたものです。フルーツが入ったものもあり、デザート感覚で食べられます。
フローズンヨーグルト
ヨーグルトを混ぜながら空気を含ませ、冷凍したものがフローズンヨーグルトです。凍結しているものの、規格で定められた乳酸菌(1,000万/ml)は生きたままです。
アメリカで開発され、アイスクリームと比べて低脂肪な健康食品として人気になりました。
ヨーグルトは発酵の段階によっても種類分けされる
ヨーグルトは容器に詰める「前に発酵させるか」「後で発酵させるか」によっても種類分けされます。
たとえば、飲むヨーグルトやソフトヨーグルトは前発酵、ハードヨーグルトは後発酵によりつくられています。
前発酵のヨーグルト
前発酵は、専用タンクの中で原料を発酵させてから容器に詰める発酵方法です。
原料である牛などの乳を、乳酸菌の発酵に適した温度(40~45℃)まであたためます。そこにブルガリア菌やサーモフィラス菌などの乳酸菌を加え、先に発酵させます。
このあと、製品によって甘味料やフルーツを加えて容器に充填します。なめらかなプレーンヨーグルトや飲むヨーグルト・ソフトヨーグルトは、前発酵によりつくられています。
後発酵のヨーグルト
後発酵は、牛などの乳に乳酸菌を加えたあとすぐに、販売するための容器に詰めます。容器に充填したあとで温度を上げ、個別に発酵させる方法です。なめらかさはなく、スプーンですくえるような少しかための仕上がりになるのが特徴です。
市場に出回っているプレーンヨーグルトの多くが、この後発酵のヨーグルトです。ハードヨーグルトや砂糖入りのプレーンヨーグルトの場合は、乳酸菌を加える段階でゼラチンや砂糖を一緒に混ぜます。
韓国で流行!グリークヨーグルトとは?
韓国では「グリークヨーグルト」が健康や美容に敏感な人たちの間でブームになり、専門店が続々とオープンしています。
グリークヨーグルトと言われるとなじみがないかもしれませんが、日本では「ギリシャヨーグルト」や「水切りヨーグルト」と呼ばれています。これならピンとくるのではないでしょうか。
ギリシャでは、ホエーを除いた濃縮ヨーグルトを「サコーラス」と呼んでおり、これが一般的に韓国や日本で出回っているグリークヨーグルトです。
水分やホエーを減らすことで、まるでクリームチーズのように濃厚で、もっちりとした食感になります。
ヨーグルト特有の酸味もひかえめなため、デザートとしてはもちろんのこと、料理にも使えます。グリークヨーグルトのもつチーズのような食感と風味を生かして、チーズの代替品として活用すれば、手軽にカロリーカットが叶います。
日本のギリシャヨーグルトとの違い
韓国のグリークヨーグルトと日本のグリークヨーグルトは何が違うのでしょうか?
日本のグリークヨーグルト(ギリシャヨーグルト)といえば、「低カロリー×高たんぱく」というダイエットや体づくりの目的で販売されることが多いです。
カロリーカットやたんぱく質量を重視した、無脂肪タイプのものも増えてきました。
一方で韓国のグリークヨーグルトは、おいしさにフォーカスしています。牛乳を原料にしたものが多く、グリークヨーグルトの濃厚さや、乳の風味を損なうことなく楽しめます。
ヘルシーさとおいしさの両方を兼ね備えたグリークヨーグルト。韓国のグリークヨーグルト専門店では、グラノーラやフルーツを合わせたものや、ベーグルやケーキに添えたものが多いようです。
ヨーグルトを選ぶ際のポイント
「どれを選んだらいいのか分からない」という人に向けて、ヨーグルトを選ぶ際のポイントを紹介します。
ヨーグルトは酸味がある食品なので、食べやすいように甘味料を加えた商品を多く見かけます。健康や美容・ダイエット目的でヨーグルトを食べるのなら、無糖タイプのプレーンヨーグルトや、たんぱく質が豊富なグリークヨーグルトがおすすめです。
「子どものおやつにスナック菓子を与えるくらいなら、体にいいヨーグルトを食べてほしい」と思う親御さんもいるでしょう。お子様にとっては食べやすいことが第一なので、フルーツやグラノーラなどが入ったソフトヨーグルトを選ぶといいでしょう。ジュースの代わりに飲むヨーグルトもおすすめです。
まとめ
今回はヨーグルトの種類にはじまり、発酵の段階による製造方法の違いや、韓国や日本で話題のグリークヨーグルトについて取り上げました。
ヨーグルトは身近な発酵食品で種類も豊富なため、手軽に毎日の食生活に取り入れることができます。自分に合ったヨーグルトを選んで、ヨーグルトライフを楽しんでくださいね。
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