「ブルーゾーン」というワードを聞いたことがありますか?
ヘルシーな暮らし、健康な生活を送る、ということに関心をもつ人が増えてきた今、ブルーゾーンについての知識もあなたの生活に役立つはずです。
せっかくの人生、楽しく長生きしたいですよね。
そこで今回は、「ブルーゾーン」についてご紹介していきます。ちょっとした工夫でより豊かな生活が送れるかもしれませんよ。
目次
ブルーゾーンとは
「ブルーゾーン」という言葉自体、初めて聞くという方も多いのではないでしょうか?ここ20年くらいで一気に注目を集めているブルーゾーン。そこには私たちが健康であり続けるためのヒントがあるようです。
長生きする人が多い場所
ブルーゾーンとは、長寿(100歳以上)の人が多く住んでいる地域のこと。長年にわたって世界の長寿について研究してきたアメリカの学者ダン・ビュートナー氏が発起人となり、世界の中でも長寿の割合が多い5つの地域を「ブルーゾーン」と特定しました。
また、ブルーゾーンに住んでいる人たちは「長生き」というだけでなく、ガンや心臓病などの発生率が低いことも明らかになっています。
実際にこのブルーゾーンを訪れた研究者たちは、そこで暮らす人々の「ライフスタイル」が、彼らの長寿や健康に良い影響を与えているといいます。ブルーゾーンで暮らす人々にとっては当たり前となっている食生活や人との関わりが、実は長生きの秘訣となっていたのです。
日本の平均寿命は世界的にみても高い
2021年の日本の平均寿命は、男性が81.47歳、女性が87.57歳。新型コロナウイルスの影響で前年に比べると短くはなっていますが、世界的にみると男性が第三位、女性はなんと世界一平均寿命が長い国となっているのです。
日本の医療レベルが高いこと、健康に対する意識が高いことなどが、長寿の国の理由といわれています。
さらに、日本食は栄養バランスが整っていて、豆や野菜もしっかり摂れるという特徴がありますよね。私たち日本人にとって、日本食を食べることは特別なことではありませんが、実は自然と健康にいい食生活ができているのかもしれません。
ブルーゾーンに共通する9つのライフスタイル
ブルーゾーンの研究が進められてきた中で、彼らには共通するライフスタイルがありました。難しいことではないけれど、意外と忘れがちな9つの習慣をご紹介します。
1.体を動かす
健康な体をつくるためには、やはり運動が大事になってきます。とはいっても、100歳近い人が毎日筋トレやランニングをしているわけではありません。
ブルーゾーンに住む人々は、「散歩する」「掃除や料理などの家事をする」「庭いじりをする」など、普段の生活の中で体を動かす機会が多いことがわかっています。とくに山岳地帯であるイタリアのサルディーニャ島では、移動距離の長さや羊飼いという仕事が体を動かすことにつながっているそう。
2.ストレスフリーを心がける
ストレスを0にすることは難しいけれど、なるべく心が安定するようリラックスできる時間を作ることが大切。ブルーゾーンに住んでいる人たちは、昼寝をしたりお酒を楽しんだりと、心に余裕をもっている人が多いそうです。
「スローライフ」という言葉があるように、時間に追われすぎず日々の生活を楽しむ気持ちをもってみるといいのではないでしょうか。
3.「生きがい」をもつ
朝目覚めたときに、「今日も1日がんばろう!」と思えるのって素敵ですよね。ブルーゾーンに住んでいる人たちは、「生きがい」をもって生活している傾向があるそう。
「人生の目標」と難しく考えすぎずに、「今日がんばったらおいしいごはんを食べよう!」というようなことでもOKです。ご褒美や目的を作ることで、ちょっと嫌なことでも前向きに取り組めるはず。
4.植物性食品を食べる
ブルーゾーンでは、新鮮な野菜や果物、豆類などを中心とした食事をしている人が多いそう。肉や魚も適度に食べて、バランスのとれた食生活を心がけることが大切です。
5.腹8分目
ブルーゾーンの中でもとくに沖縄では、この腹8分目の意識が高いそう。満腹まで食べるのではなく、「もうちょっと食べられるかな」というところでやめておくと体への負担も減らせます。よく噛んでゆっくり食べることで、満腹感も感じやすくなりますよ。
6.ワインを適度に飲む
ちょっと意外かもしれないけれど、お酒も適量であれば体にとってプラスになることもあるそう。ブルーゾーンの地域では、1日1〜2杯のお酒(とくにワイン)を飲んでいる人が多いのだとか。
中でも、グルナッシュという品種から造られる「サルディーナ・カンノナウ」という赤ワインは、健康にいい成分が含まれていることで有名です。仲間とワインを楽しむことが、ストレス解消にもつながっているのかもしれませんね。
7.家族との絆
パートナーや子供、自分の親を大事にし、一緒に思い出を作ること。ブルーゾーンの人たちは、まず家族を優先にするという考えをもっている人が多いそうです。家族と一緒に過ごす時間が多いほど、お互いの絆も強くなります。大切にしたいと思える人が近くにいることは、生きていくうえで重要なのですね。
8.信仰心をもつ
ブルーゾーンの人々は、信仰に基づくコミュニティに属している人が多いそうです。礼拝に参加したり、行事や活動に参加することで、人とつながるきっかけにもなりますね。
9.ソーシャルネットワーク
「人とのつながり」を大事にすること。ブルーゾーンの地域の人たちは、友達、家族、学校、会社などの人と関わることを楽しんでいるそう。オンラインが主流になってきていますが、やはり直接会って話すことは私たちの健康にプラスの影響があるようですね。
地域の人と助け合いながら生活することで、心も豊かになるのではないでしょうか。
世界5つのブルーゾーン
現在、世界にはブルーゾーンと呼ばれる地域が5つあります。それぞれの特徴をみてみると、面白い共通点も。ここではそんなブルーゾーンの地域の過ごし方をご紹介します。
1.サルディーニャ島【イタリア】
イタリアの首都ローマから飛行機で約50分、地中海で2番目に大きな島サルディーニャ島。100歳以上の男性が世界でもっとも多い地域で、ブルーゾーン発祥の地ともなっています。きれいな海に囲まれているので、高級リゾート地としても人気の高い地域です。
サルディーニャ島の特徴は牧羊が盛んなこと。羊飼いという仕事柄、普段から体を動かしている人が多いのが長生きのポイントです。また、羊の乳からできる「ペコリーノ・チーズ」を食べる習慣があることも健康の理由のひとつといわれています。
さらにサルディーニャ島の人たちは植物ベースの食事が中心で、お肉は日曜日や特別なお祝いのときにしか食べないそう。無理に食事制限をするわけではなく、地域全体でヘルシーな食習慣が根付いているのですね。
2.沖縄【日本】
実は私たちの住む日本にもブルーゾーンがあるのです。きれいな海とゆったりとした時間が流れる沖縄。日本の中でも長寿の地域として有名ですよね。
中でも長寿の秘訣といわれているのが「なんくるないさー」(なんとかなるさ)、「ゆいまーる」(助け合い)という考え方。いつまでもくよくよしない、困っている人は助けるなどのポジティブな思考が、心に余裕を作ってくれているのかもしれません。
また沖縄の食文化も健康の理由のひとつ。ゴーヤ、もずく、島豆腐、豚肉などを日頃から食べていることで、自然とバランスのよい食事がとれているのです。「百薬の長」とも呼ばれる泡盛を飲むことも沖縄ならではの習慣。親戚やご近所の人と楽しく飲むお酒は、沖縄らしい文化ですね。
3.ロマリンダ【アメリカ】
カリフォルニア州にあるロマリンダは、アメリカの中でもっとも長生きする人が多い地域です。「セブンスデー・アドベンチスト教団」というキリスト教の信徒が多く住んでいることから、ライフスタイルにもいくつかの特徴があるようです。
食事は野菜や果物などのヘルシーなものが基本で、お肉やこってりとしたものはあまり食べない習慣があるそう。また、たばこやアルコールをとらない、週1回は安息日を作りゆったりと過ごすなどの生活を送る人が多いようです。
ニコヤ半島【コスタリカ】
中米に位置し、自然が豊かな国コスタリカ。ニコヤ半島には人生を前向きに考える「plan de vida」という文化があるそう。家族を大事にする、近隣の人と助け合うなど「人とのつながり」が根付いている地域です。
また抗酸化物質が豊富なトロピカルフルーツを食べる習慣が、いつまでも若々しい体を保つ秘訣なのだとか。ミネラルたっぷりの硬水を飲んでいること、夕飯のボリュームは少なめにすることなどもニコヤ半島ならではの食文化です。
イカリア島【ギリシャ】
エーゲ海に浮かぶイカリア島では、なんと3人に1人が90歳を超えていて、100歳を超えている人も珍しくないのだとか。世界的にみても長寿で有名なこの地域では、野菜や果物、オリーブオイル、全粒穀物、豆などを中心とした地中海料理がよく食べられています。
またギリシャ正教の信者が多いことから、基本はヴィーガン食、年に数回は断食を行うというライフスタイルが根付いているそう。昼寝の習慣があったり、午後の休憩をたっぷりととるのもこの地域の特徴です。
ヘルシーな食事と時間を気にしすぎないゆったりとした生活が、イカリア島を長寿の地域へと結びつけているのかもしれませんね。
まとめ
ブルーゾーンの地域の人たちが、何かお金をかけて特別なことをしているわけではありません。ちょっとした考え方や時間の使い方で、いつもの暮らしがさらに豊かになるのですね。今回ご紹介した9つの習慣、何かひとつでも生活に取り入れてみると、新しい暮らし方ができるかもしれませんね。
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