地域ごとに異なるタイ料理の特徴とは
コスモス食品のマッドサイエンティストこと中田です。
今回は、タイ料理についてのお話をさせていただきます。
一言にタイ料理と言っても地域毎に「北部」「東北部」「中部」「南部」の大きく4つに分かれそれぞれに魅力的な特長があります。その内容は以下の通りです。
北部料理(主な都市名:チェンマイ、チェンライ、スコータイ)
⇒北部はもともとラーンナー王国という国があった地域で、ラオス・ビルマ(ミャンマー)と国を接している事と、さまざまな少数民族が入り混じる地域であった為に、各地域や民族毎に発達した食分化が影響し合い個性豊かな独自性のある食文化を生み出しております。
味の傾向としてはタイ料理の中では最もマイルドな味わいで日本人にも食べやすい料理が多いです。
また、多様な醗酵食品が用いられることも特長の一つです。
代表的な料理としては「カオソーイ(揚げ麺入りのココナッツカレーラーメン)」、「サイウア(ハーブ入りのソーセージ)」、「ゲーンハンレー(豚肉と生姜のハヤシライス)」などが有名です。
東北部料理(主な都市名:ノンカイ、コンケーン、ウドンターニー)
⇒東北部は、メコン川流域のラオス文化圏に影響を受けた地域で東北部料理は「イサーン料理」とも呼ばれます。
特長としては食材の多様さで鶏・魚・水牛・牛などに加え、コオロギ・赤アリ・イナゴ・セミ等の昆虫食。カエル・ヘビ・トカゲ・ネズミ等の他の地域の人が食べない物でも食材として美味しい料理にしていきます。
また、ハーブをふんだんに使うことも特長です。
食材を調達段階から楽しみ、自然の恵みや生き物の恵みを余すところなく美味しくいただくのが東北部家庭料理の伝統です。
代表的な料理としては「ソムタム(青パパイヤのサラダ)」、「ガイヤーン(鶏の炭火焼き)」、「ラープ(刻んだ肉類とハーブを混ぜた料理)」などがあります。
中部料理(主な都市:バンコク、アユタヤ)
⇒中部は大平野の農産物、チャオプラヤー(メナム)川の幸、海の恵みといった豊かな食材と、首都の影響で外国との接触による多才な工夫が合わさることで、宮廷料理にも通じる豪華で贅沢な料理がその特長です。
また、中華料理の影響も濃く、甘みのあるココナッツミルクを多用することも特長の一つです。
「辛さ」「酸味」「塩気」「酸味」の4つの味をバランス良く取り入れスタンダードなタイ料理と言えるのが中部料理にあたります。
代表的な料理としては日本でもおなじみの「トムヤムクン」、「グリーンカレー」、「トムカーガイ(鶏のココナッツミルクスープ)」などがあります。
南部料理(主な都市:プーケット、ハジャイ、ソンクラー)
⇒南部は、タイ民族の本流から最も遠い所にある地域に分類され、インドやマレー半島のスパイスを多用する料理の影響を受けていることが特長です。
味はタイ料理の中でも最も濃く、最も辛く、最も塩辛いと言われており、付け合わせに出てくる野菜類で味の濃さを中和しながら食べるスタイルです。
また、食材に「ウコン(ターメリック)」をよく利用されるために独特の風味と黄色っぽい料理が多いこともその特長の一つです。
南部タイにはムスリムの方が多いのでその影響を受けた料理もたくさんあります。
代表的な料理は2011年に「CNNインターナショナル世界で一番美味しい料理」で1位を獲得した「マッサマンカレー」、「カオモックガイ(ムスリム風チキンライス)」、「カオヤム(ハーブのライスサラダ)」などがあります。
一口にタイ料理と言っても以上のような4つに分類されます。
タイ料理の醍醐味「ヤム」の意味とは
最後に、タイの言葉で「ヤム」という言葉があり日本語に訳すと「混ぜる」という意味ですが、そんな単純な言葉では言い表せないような深い言葉です。
「辛さ」「酸味」「塩気」「甘味」「ハーブの香り」の5つの味わいが一度に味わえる。
それぞれが単なる味のアクセントではなく、味の一つとしてそれぞれが役割を担い融合させて美味しさを引き立たせる、これがタイ料理の醍醐味であり、「ヤム」の言葉の本当の意味という事になります。
よく言われるのが「ヤムを本当に理解できたら、タイの食文化を理解したようなもの」と、いやいや奥深いですね。
複雑でとても魅力的そして美味しいタイ料理。このタイ料理の良さをフリーズドライにして世界中にお届けしたいです。
つづく。。。
Commentsコメント