山岳からの挑戦(その2)
コスモス食品のマッドサイエンティストこと中田です。
前回からの続き、いよいよアリヤさんから頂いた山岳米のテストです。
生米の状態だとややぬかの香りの強い野性味の溢れる印象です。
形はタイのインディカ米と日本のジャポニカ米の調度中間ぐらいの形状、やや長めで少しふくらみのある形です。今まで見てきたどのタイプにも属さないものです。この形状を見ているだけでも期待大。そして待ちに待った試食の瞬間。
まずは香りですが、タイ米独特のクセのある香りはあまりせずに、米の澱粉の香りが漂う感じです。次に味、あっさりとしていますが粘りがあり噛みしめると甘みを感じる味です。
ただ粘りがそれほど強いわけではないので食べていて重い感じはしませんでした。
正に、形状・食感・味いずれをとっても、タイ米と日本米の中間の米というものです。
「これは面白い!」(この時点では『これは良い!』とは思っていません。ここでの懸案事項は後々に続きます。)
もう少しこの米について深掘りする必要はあるようです。
早速、アリヤさんに追加の米と農地の見学を依頼させていただきました。(このくだりは次回にさせていただきます。)
お米の種類について
ここで、米ついての説明をさせていただきます。米の種類は大きく3つに分かれます。
インディカ米
東南アジアで生まれ、東南アジアからインド・中東・ヨーロッパ・米国と世界中に普及し、世界の需要の約8割を占めています。細長く、炊くとパサパサとした食感が特徴です。タイで有名なジャスミン米(タイ語でカオ・ホーン・マリ)は、この品種改良品になります。
ジャポニカ米
中国の北部で生まれ、朝鮮半島・日本・北東アジアに水田の普及とともに広まっています。世界の需要では約2割を占めていて、短く楕円形で炊くと「粘り」と「ツヤ」の出るのが特徴です。この米の品種改良技術と種類の豊富さは日本がトップレベルです。区別するために「温帯ジャポニカ米」とも呼ばれます。
ジャバニカ米
中国南西部生まれ、インドネシア・熱帯アジア・中南米のごく一部で普及。主に水田開発が出来ない厳しい環境下での生産が多く、世界需要では統計には入らない程。かつては日本でも泡盛の原料として利用されていたことがあります。ジャポニカ米の亜種として「熱帯ジャポニカ米」と呼ばれることもあります。
次回、この山岳米の農地に訪問させて頂いた内容をお話しさせていただきます。
この米にまつわるお話。まだまだ続きます。
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