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ふだん捨ててしまう野菜や果物の皮・身近に自生する植物を使って、自宅で手軽に草木染めを楽しんでみませんか?化学染料を使用しない草木染めは、環境にも人にもやさしいサステナブルな染色方法として注目されています。

染め物と聞くと難しいイメージがありますが、意外と簡単にできるんですよ。高価なものを買いそろえる必要もありません!

今回は、自宅で草木染めを行う方法を詳しく、簡潔にまとめました。ぜひ本記事を参考に、世界にひとつだけのオリジナリティ溢れる作品をつくってみてください。

環境にも人にもやさしい、草木染めの魅力とは

草木染めとは、果実や野菜・植物といった天然染料を使った染色方法のことです。これらの染料を煮出してつくった液に、布などを浸して染めていきます。化学染料を使った染色と違い、草木染めでは植物のもつ淡く優しい色合いの仕上がりになるのが特徴です。

化学染料による水質汚染が昨今大きな問題となっています。さらに、化学染料の成分が人体に悪影響を与える可能性も指摘されています。草木染めでは原色のようなハッキリとした色味は出せませんが、化学染料にはない、やさしいナチュラルな色味を楽しむことができます。

草木染めの染料になる身近な材料

草木染めの染料になる身近な、そして意外な材料を紹介します。ふだん捨ててしまうようなものでも、立派な染料になりますよ。

玉ねぎの皮 手軽に家庭で草木染めを楽しむのにぴったりな素材です。大サイズの玉ねぎなら5個分ほどの皮があれば十分です。

染め上がりは黄色・山吹色・茶色に染まります。

アボカドの皮・種 アボカドの皮と種を使って草木染めをすることができます。緑色の仕上がりを想像してしまいますが、サーモンピンクのような色合いになります。
みかんの皮 みかんをたくさん消費する冬におすすめです。柑橘系ならではの爽やかなオレンジ色に染まります。
量や染色時間によって、淡いオレンジ色や黄色・黄緑色などの仕上がりになります。
なすの皮 なすの皮は、紫やピンク・えんじ色といった、少し深みのある色合いに仕上がります。
自然界のものでピンク色を出せる材料は少ないため、アボカドと並んでぜひとも試してほしい材料です。
コーヒーの残りカス いつもなら捨ててしまうコーヒーの出がらしは、草木染めでもう一度おいしくいただきましょう。
ベージュ・茶色・濃い茶色に仕上がります。
ヨモギ 春にぴったりのきれいな若草色に染めたいときはヨモギがおすすめです。
爽やかながらも、和の雰囲気をも漂わせる上品な色合いが魅力です。
採取する時期によって仕上がりの色味に違いが出ます。3~4月の若いヨモギは黄色に、5~6月頃のヨモギを使うと緑色の仕上がりになります。
ドクダミ 初夏に日本中どこでも見かけるドクダミは、緑色かと思いきや黄色やベージュ・淡い茶色の仕上がりになります。

草木染めの方法

それではさっそく、お好きな染料を使って草木染めにチャレンジしてみましょう。草木染の基本工程は次の通りです。

  1. 草木染めの原料となる植物と、染めたいものを用意する
  2. 染めたいものの下処理をする
  3. 染料をつくる
  4. 媒染液をつくる
  5. 染色する
  6. 仕上げ

用意するもの

用意するもの 詳細 注意点
染色原料 植物や野菜の皮など 用意する量の目安は以下のとおり

  • 生葉の場合:染めたいものと同量の重さ
  • 乾燥素材の場合:染めたいものと半量の重さ
牛乳または豆乳 STEP2の下処理用
・STEP2の下処理用

・STEP3の染料を煮るとき用

お湯(40~60℃) STEP4のアルミ媒染液用
ミョウバン STEP4のアルミ媒染液用
染めたいもの(布など) 麻(リネン)・綿(コットン)・レーヨンなどの植物繊維もしくは絹(シルク)・羊毛(ウール)・山羊(カシミヤ)などの動物繊維のもの 左記のような天然繊維を用意すること。化学繊維(ポリエステルやアクリルなど)は染まらないため注意。
ボウル STEP2の下処理用
鍋×2 ・STEP4の媒染液用

・STEP5の染色用

温度計 染色液や媒染液の温度を測る
布袋または洗濯ネット(不織布のものがおすすめ) STEP3で染料を煮だすときに使用

草木染めの手順

STEP1:草木染めの原料となる植物と、染めたいものを用意する

草木染めの染料になる身近な材料で紹介したものの中から、好きな材料を用意してください。ほかに使いたい染料がある場合はそちらを使ってもかまいません。なお、上記の表で示した目安量より多くても少なくても染色できる(染め上がりの色合いに変化が出る)ので、あまり神経質にならなくて大丈夫です。

STEP2:染めたいものの下処理をする

染めたいものに色が入りやすくするための下処理を行います。

草木染めでは、布の中にあるたんぱく質の部分に色を付けることで染色します。

綿・麻・レーヨンといった植物性繊維は、シルク・ウール・カシミヤなどの動物性繊維と比べてたんぱく質量が少ないため、牛乳や豆乳を使って人工的にたんぱく質を加えます。動物性繊維の素材を使用する場合は、この工程は割愛してください。

水と牛乳(または豆乳)を1:1の割合でボウルに入れ、そこに染色したい布を浸し、20~30分漬け込みます。時間が経過したら、水ですすがずにそのまま脱水します。

STEP3:染料をつくる

布を染めるための染料をつくりましょう。原料の汚れを水で洗い流したら、布袋や洗濯ネットに入れます。次に、染める布の重さの30倍の水を鍋に注ぎ、その中に原料の入った布袋(洗濯ネット)を漬けます。30分〜1時間ほど煮たら染料の完成です。

STEP4:媒染液をつくる

煮出した草木染めの染料を、染めたいものに定着させる工程を「媒染(ばいせん)」といいます。媒染にはアルミ媒染・鉄媒染・銅媒染・アルカリ媒染・酸媒染・アルミナ媒染など種類がありますが、ここではアルミ媒染で媒染する方法を紹介します。

アルミ媒染は鮮やかに発色するのが特徴で、材料となる「ミョウバン」もスーパーなどで手軽に購入できるため、比較的簡単にできる方法です。

アルミ媒染液は、40~60℃のお湯1リットルに対し、2~5gの割合のミョウバンを入れて溶かしてつくります(ミョウバンが多いとより濃く発色します)。

媒染液の目安量として、染めたい布の重さの約30倍を用意しましょう(例:布が100gであれば媒染液は3リットル分必要)。

STEP5:染色する

染料と媒染液ができたら、いよいよ染色です。STEP3でつくった染料を40~60℃くらいまで加熱します。温度が高いほうが染まりやすくなりますが、高くても60℃までにしておきましょう。布を入れ、菜箸などでかき混ぜながら20分ほど煮ます。染色ムラにならないよう、放置せずにかき混ぜるのがコツです。

20分ほど経ったら布を水洗いし、染料を洗い流して絞ります。その後、STEP4でつくった媒染液に浸し、菜箸で混ぜて全体になじませたら、20~30分浸け置きします。時間が経ったら媒染液から取り出し、よく水洗いします。好みの色合いになるまでこの行程を繰り返します。

STEP6:仕上げ

好みの色合いになったらしっかり水ですすぎ、日陰に干して乾燥させます。

【ワンポイントアドバイス】

乾いたら、あて布をしながら中温でアイロンをかけるとより色が定着しますよ。

草木染めした衣服のお手入れの方法

草木染めは化学染料で染めたものよりデリケートです。特に草木染め直後は色落ち・色あせしやすいため、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 中性洗剤を使用し、ぬるま湯で手洗いする(目安として3回目以降は、手洗いではなく洗濯機使用も可能)
  • 漂白剤や合成洗剤は使用しない
  • 生地に直接洗剤をかけない
  • 直射日光は避け、日陰で干す
  • 湿気を避けて保管
  • 日光が当たる場所での保管は避ける

草木染めを洗う際の洗剤は、おしゃれ着用の中性洗剤や、野菜・食器用の中性洗剤がおすすめです。石けんはアルカリ性なので使わないようにしましょう。

まとめ

自宅や身近にあるもので簡単にできる草木染めの方法について紹介しました。天然染料を使う草木染めは色落ちしやすいものの、その変化さえも含め楽しめるという魅力があります。

2つとして同じものができない、あなただけのオリジナリティあふれる草木染め。染めあがった作品を見たら、きっと愛着が沸くはずですよ。ぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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SHIHO

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Webライター。内面からの美容や健康に関心があります。読者の皆さんにとって有益な情報をお届け出来るよう頑張ります♡
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